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佐渡充高が簡単解説!初めてのPGAツアー【第一回】

2011/06/22 10:11

これまで見た中で一番印象に残っている試合を教えてもらえますか?

2位に15打差をつける記録的圧勝で全米オ 2位に15打差をつける記録的圧勝で全米オープンを制したタイガー・ウッズ (Jamie Squire/Getty Images)

それは、タイガー・ウッズが優勝した2000年ペブルビーチでの全米オープンですね。2位に15打差という大差をつけての勝利は、メジャートーナメントではありえないと思っていました。「ゴルフが変わったな」という印象さえ受けましたし、今までのレベルのゴルフではなく異次元のゴルフ、新しいゴルフの時代を見せてくれました。それまでのゴルフはアスリート的な要素が弱く、どちらかというと遊びとか娯楽の要素が強いイメージでしたが、この試合で初めてアスリートのゴルファーを見たという、自分にはショッキングな試合でもありました。おそらくタイガー・ウッズという人物は50年に1度、または100年に1度出るか出ないかの逸材で、あの試合はその彼が成し得た最高のパフォーマンスだったと思います。

それまでのゴルファーとタイガーとでは、練習方法やトレーニング方法は異なるのでしょうか?

基本的にはタイガーは才能に恵まれています。ものすごく、人の何倍もの努力を重ねてあの地位に就いたというよりも、もちろん努力はしていますが、もともと才能があったところで、うまいというか効率的な練習方法をしていたんだと思うんです。才能の面で言うと飛距離がその一つ。20歳でプロ転向し、その年は2勝を挙げて賞金ランク30位までしか入れないツアーチャンピオンシップに参戦しました。私はタイガーに「なぜ飛ぶのか?」と聞くと、「自分でもよく分からない。ゴルフを始めた時から飛んだからわからないんだ」と言いました。飛ばすための努力を行ってきたわけではなく、こうすれば飛ぶということを体が分かっていたんでしょうね。このとき私は、理屈ではないものを持っているんだなと感じました。

タイガーの出現が他の選手にも影響を与えましたか?

誰しも、タイガーに追いついて追い越したいという思いがありましたからね。タイガーが1996年にプロ転向した当時、平均飛距離で300ヤードを飛ばすのがジョン・デリーだけという時代に、20歳のタイガーがあの細い体格で300ヤードを飛ばし、他の選手にはその事実が信じられませんでした。そのことが飛距離の常識を変え、多くの選手がトレーニングを始めるようになったきっかけであり、それ以来選手の体つきも変わってきています。大概の選手は、試合を終えて、記者会見に参加し、軽く練習して帰るのがほとんどでしたが、今では暗くなるまで練習して、ホテルに戻ったらトレーニング、そのあとシャワーを浴びて食事に行きます。それまでは太っていて愛嬌(あいきょう)のある選手が多かったけれど、タイガーはルックスも含めて、あれだけ体を絞り込み、まるでスプリンターのような体躯にはアスリート性を強く感じます。そんな出来事がちょうど20世紀最後に起こって、21世紀からのゴルフが変わりましたね。

記事提供元: ゴルフダイジェスト・オンライン

佐渡充高(さどみつたか)
ゴルフジャーナリスト。1957年生まれ。上智大学卒。大学時代はゴルフ部に所属しキャプテンを務める。3、4年生の時に太平洋クラブマスターズで当時4年連続賞金王に輝いたトム・ワトソンのキャディーを務める。東京中日スポーツ新聞社を経て85年に渡米、ニューヨークを拠点に世界のゴルフを取材。米国ゴルフ記者協会会員、ゴルフマガジン「世界トップ100コース」選考委員会国際評議委員。元世界ゴルフ殿堂選考委員。91年からNHK米ゴルフツアー放送ゴルフ解説者。現在は日本を拠点に世界のゴルフを取材、講演などに飛び回る。

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