デイリーラップアップ:WGCブリヂストンインビテーショナル3日目
好調時のタイガー・ウッズは、ひとり特別な雰囲気を醸し出すことができる。
前日にキャリア最高のラウンドのひとつといえるプレーを見せたウッズは土曜日、WGCブリヂストンインビテーショナル3日目を2アンダー「68」で回った。ウッズはファイヤーストーンCC通算8回目の勝利に向けて、7打のリードをキープしている。
現在フェデックスカップランキング1位に立つウッズは、サム・スニードの保有する通算82勝の記録まであと3つに迫る79回目の米ツアー優勝を視界に捉えている。
「ただコースに出て、ゲームプランを実行するだけだよ」とウッズは言った。「まず大事なのは天候だ。天候を見て、ゲームプランを決めていく。また明日になれば、僕がどうプレーするのかはわかるよ」。
「59」あるいはさらに低いスコアを記録しそうだった前日の「61」で回ったラウンドとは違い、この日のウッズはすべてのミスショットを修正し切れたわけではなかった。 9、14、16番でボギーを叩き、平凡なショットから上手く挽回することができなかった。
「今日は特別良い日ではなかった」ここまで通算15アンダー「195」のウッズはそう話した。「でも、充分なスコアを出すことができた。このゲームは数字を積み重ねていくものだ。コースに上手く適応できたと思う」
それでも、ウッズはなお圧倒的優勝を飾るのに十分なリードを奪っている。来週開催されるオークヒルでの全米プロゴルフ選手権、そして今月末にはじまるフェデックスカッププレーオフに向けても、視界は良好だ。
「勝利を手にして次の試合に臨めることは、いつだって素晴らしいことだ」とウッズ。「自分がしていることは間違ってないと証明できるし、また素晴らしい瞬間を味わうことができる」。
ウッズは最近出場した17のメジャー大会で 勝利を逃してきた。しかし、これまでメジャー通算14勝を誇るウッズは、やがてジャック・ニクラスの18勝という記録を追い越すであろう。
ウッズは3日目を終え、通算15アンダー「195」をマークしている。
彼は初日を「66」、2日目を「61」でラウンドし、7打のリードで3日目をスタートさせた。2日目の「61」はウッズにとって4度目となるキャリアハイのスコアで、1990年にホセ・マリア・オラサバルがマークした大会記録にも並んだ。
2位につけているのは、3日目の「67」をマークしたヘンリック・ステンソン。同じく「67」でラウンドしたジェイソン・ダフナーが8打差の3位。ルーク・ドナルドが「68」、ビル・ハースが「69」、そして、クリス・ウッドが「70」でそれぞれラウンドし、通算6アンダーの4位タイで並んでいる。
ダフナーは、ファイヤーストーンはウッズが支配的なプレーを見せる数あるコースの一つに過ぎないと話した。
「ウッズはここで素晴らしい成績を残しているね」とダフナーは言った。「彼が素晴らしいプレーを見せる場所はたくさんある。トーレパインズもそうだし、ベイヒルもそうだね。彼は明らかにこれらのコースで快適にプレーしているし、可能な限り彼に食らいつくのが我々の仕事なんだ」。
昨年の覇者キーガン・ブラッドリーは3日目を「71」として順位を7位タイに落とし、この日「65」を出したミゲル・アンヘル・ヒメネスと並んだ。2011年のブリヂストン覇者のザック・ジョンソンとマスターズ・チャンピオンのアダム・スコットが9位タイとしている。
ウッズはこのコースで、世界ランクトップ50に名を連ねる選手のうち48人を 含む全ての選手を圧倒した。
日曜日、ウッズはいくつかの偉業を達成するであろう。
明日勝てば、ウッズはファイヤーストーンカントリークラブで8回目の優勝となり、それは彼がベイヒルですでに持つ8勝と、サム・スニードがもつグリーンズボロでの8勝に並び全米ツアー記録タイになる。
また、明日の勝利は全米ツアー79勝目となり、スニードが持つ82勝まであと3勝となる。
ウッズはこの日、前日同様に好調なスタートを切り、最初の2ホールでバーディを奪った(第2ラウンドでは2番でイーグルを記録)。1番で12フィートのパットをねじ込み、2番では40フィートからの2打でバーディを決め、他の選手たちを途方に暮れさせた。
しかしその後、彼も人間なのだとウッズ自身が証明した。次の6ホールをパー、そして9番ではフェアウェイにせり出したバンカーに入れてしまいボギー。続く10番で8フィートのアプローチショットを決めバーディを奪った後、13番ではウッズらしい一打を見せた。
パー4ホールの13番、荒く重いラフからアイアン・ショットを放つと、サンドウェッジを超えてグリーンに乗り、そのまま真っすぐピンの方向へ。40フィートの位置から見事なバーディを奪ってみせた。
14番では再びフェアウェイ左にあるバンカーに捕まってしまう。ボールは木根の近くでの深い芝生で停止した。ウッズはグリーンの後ろから3打目のショットを放った後のチョップショットで、ボギーパットを決めた。
16番でも再びティショットをバンカーに入れてしまうが、パー4の17番で再びバーディを奪った。
2日目、9アンダーで回っていたウッズは、最後の5ホールで2アンダーとすれば「59」でラウンドできた。結局、10フィート以内のバーディパットを2度外したが、18番では25フィートのパットを沈めパーゼーブに成功した。
ウッズは1999年の大会開始以来、WGCのタイトルを独占してきた。41回中17度の優勝で、優勝確率は実に41パーセント。また、32回の大会をトップ10で終えている。
ファイヤーストーンではかつて4大会連続(2005-2009年)、3大会連続(1999-2001年)の優勝を上げ、他の年は2位タイが1度、4位が2度をいう素晴らしい成績を収めている。
ウッズは自身のラウンドを振り返って、それに満足していると答えた。
「最終的には必死だったよ」この日のスタート時点と同じリードを守り抜いたことについて、ウッズはこう話した。「まあ、決して悪くはなかったけどね」。