松山英樹が19年初戦へ アマチュア・金谷拓実は米ツアーデビュー
「チキン」な誘惑作戦にも動じず…松山英樹、完勝でマキロイ戦に弾み
世界ゴルフ選手権シリーズ「WGCキャデラックマッチプレー選手権」(カリフォルニア州サンフランシスコ、TPCハーディングパーク)3日目、松山英樹はケビン・ナを5&4(4ホールを残して5アップ)で下し、予選リーグ3戦全勝で16人に絞られる決勝トーナメント進出を決めた。勝ち抜き戦となる決勝1回戦は、世界ランク1位のロリー・マキロイ(北アイルランド)と対戦する。
前日までとは一転、灰色の雲が空を覆い、冷気に包まれたTPCハーディングパーク。松山もナも序盤はスロースタートだった。前半はそれぞれバーディが1つずつ。松山のティショットは左右に散り、なかなかチャンスを作れない。一方のナは「寒かったし、背中が痛かった」と弁解する。
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4番ではお互い3打目を2mにつけると、ナがお互いのコンシード(次打でカップインとみなす)を提案。松山は「同じような距離だったし、測るのも面倒だったので」とこれを受け入れたが、ギャラリーからは「オー、チキン(弱虫)」といううめき声も。ともにきっかけを探り合うようなフロントナインとなった。
後半になって松山のエンジンが一気に点火した。10番で下り2.5mのバーディパットを沈めて2アップとすると、12番からは怒濤の3ホール連続でナとの差を広げ、一気にマッチに終止符を打つ。12番は56度のウェッジで1.5m、13番は8Iで2.5m、14番は9Iで1mへ。ショートアイアンをピンに絡め、3連続バーディであっという間に試合を決めた。
しかし、結果的にバーディを奪った13番(パー3)ですら、松山にとっては許しがたいミスが続いたようだ。右奥に切られたピンは、右エッジから4yd。1ピン左を狙った8Iのティショットは右2.5mについたが、「あそこで右に打っている時点でダメ」と、この誤差を受け入れられない。バーディパットも、外れたと思って歩き出すと最後に左にコロリと落ちた。
「今日のようなプレーをしていたら、前半で離される。今日の後半くらいのプレーをしっかりできるように、明日の朝までに調整したい」
決勝トーナメント初戦で、松山の対戦相手が世界ランク1位のマキロイに決まった。この日、マキロイはビリー・ホーシェルを相手に残り2ホールで2ダウン。そこから2ホール連取して土壇場でオールクエアに戻し、20ホール目で逆転勝ちを収めた。完勝続きの松山とは違う流れを引き寄せた感はある。
松山について、マキロイはこう言う。
「彼と初めて一緒にプレーしたのは2013年のミュアフィールドでの全英オープン。彼は2日間、自分よりずっと良いプレーをしていた。その後も1、2回一緒にラウンドしたけど、とても良いプレーヤーだ。ショットに切れがあって、球を捉えるのがうまい。弱点があるとは言いがたい。自分も明日は良いプレーをしないといけないね」
2日(土)のティオフは8試合中、最後となる午前11時14分(日本時間3日午前3時14分)。大一番が待っている。(カリフォルニア州サンフランシスコ/今岡涼太)