2012年 WGCブリヂストンインビテーショナル

モンスター攻略 ~ファイヤーストーンCC16番パー5~

2012/08/02 12:50

■モンスターたる所以

グリーン奥から望む雄大なパー5。16番がファイヤーストーンの名物ホールとなっている。

世界ゴルフ選手権シリーズ第3戦「WGCブリヂストンインビテーショナル」の開催コース、米オハイオ州アクロンのファイヤーストーンCC(7400ヤード、パー70)には米国を代表するシグニチャーホールがある。

16番(パー5)の667ヤードはPGAツアーのトーナメントでは最長ホール(今年6月のメジャー、全米オープン16番ホールは670ヤード)。緩やかな左ドッグレッグ、ダウンスロープを下っていくと、グリーン右手前からは池が口を空けるダイナミックなロングホールだ。

「モンスター」の相性で米ツアーでも親しまれている同ホール。この名がついたのは当地で「全米プロゴルフ選手権」が行われた1960年。命名したのは同大会でトリプルボギーを叩いたアーノルド・パーマーだった。

ホール内の残りヤーデージを示すスプリンクラーには、距離が長すぎるため数字ではなく「JUST HIT IT(ただ打て)」と記されているところも。

その一方で75年「全米プロ」では記憶に残る好プレーも生まれている。ジャック・二クラスが同ホールで3日目に記録した奇跡的なパーは今も語り草のひとつ。ティショットを左に曲げてトラブルに見舞われた二クラスは、第3打で今度は右ラフに打ち込むピンチを迎えた。しかし続く第4打で、池の奥、右サイドに切られたピンへ高弾道のボールを放ち見事パーセーブ。通算18勝のメジャー制覇の一つにつなげたのだった。

左足下がりのセカンド地点から長いクラブで、縦幅の狭いグリーンを捕らえるのは至難の業。2オンに成功した例も過去にわずかしかない。しかしながら、数字上では必ずしも“超難関”とはいえないデータが残されているのだ。

記録の残る過去27年間の平均スコア(対パー)は5.058で、難易度は11番目。昨年大会は4.938とアンダーパーになった。超ロングホール攻略にはカギがある。“怪物退治”の方向を大会ホストプロのブラント・スネデカーマット・クーチャーが分析した。

■スネデカー、クーチャーの見方≫
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