今回もしっかりいただきました 3年ぶり「全米プロ」比嘉一貴は松山英樹から助言
◇メジャー第2戦◇全米プロゴルフ選手権 事前(12日)◇アロニミンクGC(ペンシルベニア州)◇7394yd(パー70)
開幕3日前の11日(月)、パッティンググリーンでボールを転がしていた松山英樹の姿を目にするなり、つかつかと歩み寄る影…。コースチェックでアロニミンクGCのラフに苦労していた比嘉一貴は、練習の合間に最高の生ける教材を見つけた。
東北福祉大OBの大先輩相手に比嘉はかねて遠慮を一切しない。1月のPGAツアー「ソニーオープン」以来、約4カ月ぶりに再会し、「自分が持っている引き出しでは、どれを使っても対応できない感じだったので『どうやってますか?』って」と助言を求めた。
ウェッジのヘッドを時折触り、身振り手振りを交えた解説は「親身になって教えてくれた」貴重な教えだったそう。「(コツは)やっぱりヘッドの使い方かなと思うんですけど、やってみたら全然違う」とうなずく。「実戦でも助けになりそう。自分の感覚に、もう少し近いものにしたいですね」。その後の練習の熱量が高まったのは言うまでもない。
昨シーズン、日本人選手として初のアジアンツアー年間王者に輝いた。各国のコースでの経験は実際のところ、「ぜんぜん生かせない」という。「アジア圏のティフトン系の芝の打ち方は割と生きる気もしますけど、こういう芽が詰まっていて、広い葉っぱのラフは僕が活動している範囲ではなかなかない」。インパクトでより強い抵抗を受ける芝が、びっしり生えそろったセッティングは欧米のコース、そしてメジャーならではだ。
4月27日時点の欧米ツアー所属選手を除く世界ランキング(インターナショナルフェデレーションランク)上位3人の資格で、2023年大会以来の参戦を決めた。3年前のニューヨーク州オークヒルCCには、予選通過の喜びよりも、決勝ラウンドで最下位に終わった悔しさの方が思い出として残る。
今大会の会場をチェックして「距離が短く感じるし、フェアウェイも広い。前回のコースよりもバーディが獲りやすそう」という印象を持った。捉え方はポジティブとは言えない。「こっちの選手のレベルを考えると、(自分も)獲れるホールでしっかり獲らないといけない。パーでは難しい」とスコアの伸ばし合いを覚悟して危機感を募らせる。
キャリアで日本とアジアの両ツアーで頂点に立った比嘉は先月、31歳になった。「年齢的にもそろそろ『良い経験』で終わらせるわけにもいかない。これまでの経験を生かせるように」。もちろん、尊敬する兄貴分の思いやりにも報いたい。(ペンシルベニア州ニュータウンスクエア/桂川洋一)