名物パー3で3日連続バーディ いつもクールなキャメロン・ヤング「僕は幸せだよ」
◇米国男子◇ザ・プレーヤーズ選手権 最終日(15日)◇TPCソーグラス ザ・プレーヤーズ スタジアムコース(フロリダ州)◇7352yd(パー72)
1打ビハインドで迎えた終盤17番(パー3)、追い風を浴びて距離がピタリと合ったと感じた。周囲を池に囲まれたアイランドグリーンのピンポジションは、最終日恒例の右手前。「SWを思い切り振れば、(手前の)バンカーを1、2yd越えるはずだ」。ボールはキャメロン・ヤングの狙い通り奥から3mのチャンスを呼び込み、バーディで首位タイに躍り出た。
最終組の1つ前の2サム、最終18番で同じ通算13アンダーのマシュー・フィッツパトリック(イングランド)と向き合った。インドアゴルフのリーグ「TGL」で気心知れたチームメートの前で、ヤングは気持ちを強く持った。左ドッグレッグの高難度の第1打を前に「人生最高のショットを打つ」と自らに言い聞かせ、持ち前の飛距離も生かして確実に2オン2パットで締め、相手のボギーを誘った。
「20cmの(ウィニング)パットを決めるまでは落ち着いていたんだ。でも、まさに打とうとしたとき、その場に崩れ落ちそうな気持ちがした。あんなに近いカップに、ラインが合っていない気がして…」。これが“第5のメジャー”のタイトルの重みか。首位に4打差の3位から5バーディ、1ボギーの「68」でまとめ、ツアー通算2勝目を手にした。
初出場で予選落ちした2022年以降、実はTPCソーグラスとの相性はさっぱりだった。23年は51位、24年54位、25年61位。「ここは意志の強さ、忍耐強さ、そして良いショットを打つ技術の最高級のテストの場。今週は多くのことがうまくいった」と胸を張る。
象徴的だったのがやはり名物パー3の17番でのプレー。2日目に7mを沈め、前日3日目はあと少しでホールインワンとなりそうなピンそば30cmへのショットを披露した。「スタジアムの雰囲気は信じがたいほど素晴らしい。(観客席が)グリーンよりも高い位置にあるから、すべての視線が注がれている感覚がある。逃げも隠れもできない」。このシグニチャーホールで、最後の3ラウンドで続けてバーディを奪った初の優勝者になった。
ラウンド中は口数も少なく、表情が変わらない。「ひどく動揺しているときを除けば、いつも同じ。笑顔になったり、感情を前に出すこともない。怒ったとき?眉をひそめるくらいかな」。ただ、それもゴルフ場の中でのこと。「妻に聞いてもらえば、僕は幸せ者だと言うはずだ。人生も家族も仕事も愛している。健康だし、子どもたちも元気だ」
初優勝は昨年の「ウィンダム選手権」。当時は普段、帯同する家族がいなかった3試合のうちの1つだった。「妻の前で子どもたちを抱きしめたことはずっと忘れない。まあ、あの子たちはトロフィよりも(上空の)ドローンに興味があったみたいだけど」。いつもクールな28歳がやさしく目を細めた。(フロリダ州ポンテベドラビーチ/桂川洋一)