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タイガー・ウッズも人の子!?

先週6日間ノースカロライナ州シャーロットで素晴らしい発見をした。タイガー・ウッズはやはり人間だ。こんなことを言ってしまうと不敬に聞こえてしまうかも知れないが、私は声を張って言える。タイガーは我々と同じ人間である。

ワコビア選手権でタイガーはきこりのように多くの時間を木々の中で過ごした。数週間前、タイガーはノースカロライナ州のフォート・ブラッグ近辺で、5日間米国特殊部隊のトレーニングに参加した。そのテーマをクエイルホローでも続け、軍隊式のゴルフをした。

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ダウンスウィングに悩まされ、時折右にそれてしまうことから、完璧主義者の彼はスウィングを調整する必要があると判断した。完全なオーバーホールではなくタイヤの位置交換のようなものだ。29歳の誕生日まで残り7ヶ月だが、今までに彼はPGAツアー40勝、過去5シーズンは毎年5勝以上を挙げてきた。今回タイガーは、ゴルフの聖杯を求め新しい道を歩み始めたようだ。

街から街へと移動するタイガーの方針は"後もう一歩"。ワコビア選手権最終日に堅実なスコア(68)でラウンドし3位で終えたタイガーは、2001年以来となる4大会連続トップ10フィニッシュ以外の状況を脱出した。タイガーのプレーを見ていると、クエイルホローでの4日間フェアウェイに乗せたのはたったの24回。1ラウンド8回ミスしていることになる。全米オープンの非常に難しいシンネコック・ヒルズが数週間後に控えているが、先週のようなプレーが続くようだと今年は優勝できなさそうだ。

最も面白い発見は、ベイ・ヒルからシャーロットまでにタイガーが池に沈めたナイキのゴルフボールの数ではなく、以前は無敵と思われていたタイガーが実はそうでもないことが判明したことだ。以前はタイガーの名がリーダーボードに明記されているのを見て怯えていたライバルたちも、今となっては、負かすことができる選手として見られ始めている。

ワコビア選手権でもそうだ。素晴らしいパッティングを見せ、第2ラウンドもスコア(66)で終え、2ストローク差で1位に出た。しかし3日目に入ると、リーダーボードからタイガーの名が消え、3オーバーの(75)、以前のタイガーからは本当に信じられない出来事だった。過去18回36ホールを終えた段階で1位だったタイガーは18回とも優勝していた。今回タイガーの2ストロークのリードは、3日目の4ホール目のティーにたどり着いたころには消え去っていた。

タイガー・ウッズはやはり我々と同じ人間だ。「我々が頻繁に経験するゴルフにつきものの浮き沈みを、彼は今経験しているのだ」とタイガーの友人であり、スタンフォード時代のチームメイトであるノタ・ビゲイIIIは言う。「ある程度彼は自分が人間であることを証明しているのだ。しかし、彼程の才能を持っていて、彼のモラルおよび競争心があれば長年持っていた競争力を取り戻すためにどんなことでもするだろう」。

我々は現在タイガーの起きている現象を次のように考える。何かが足りないようだが、必死になって取り戻すだろう。ただ今すぐでは無いようだ。スーパーマンの「S」が胸から消え、不機嫌そうに赤いマントを纏い立っているようだ。

事を複雑にしているのがビジェイ・シン。長年タイガーの前に立ちはだかるものはいなかったがビジェイはタイガーと同様もしくはそれ以上の決意でタイガーを阻止しようとしている。誰にも負けないゴルフに対するモラルを持ち、よく油が塗られたエンジンのように走っている。大会初日、午後4時ごろ暑い太陽の下、汗だくになりながら通常のホールの1/2程にボールを入れるパット練習を続けていた。大したこと無い?その時点で彼は既に10時間コースに出ていた。複雑なワールドランキングでの彼とタイガーの差は狭まり、シンは今シーズン3度タイガーに勝っているため、全米オープンあたりではタイガーを追い抜いてしまうかもしれない。

「今までで一番近づいている」とシンは言う。ゴルフウィーク/サガリン・パフォーマンス・インデックスによると彼は既に1位。現在、ワコビア選手権最終日のフィニッシュは別にして(タイガーは3位、シンは10位)、シンはさらに確実で一貫したプレーをしている。いつかは自分を勝るものが出てくることも不可避であることをタイガーも認めている。ただ我々はその時が2020年あたりだと思っていた。

「永遠に私が世界1位であることはありえない。誰かが私より素晴らしいプレーをするか、同レベルで私がプレーしなくなるか、または私が年とって行く。どのような状況があるかわからないが、どのような状況であってもこの時は必ず訪れる。どのような記録もいつかは終わる。これは避け難い人生の事実だ」とタイガーは語っている。

ビジェイに歯止めをかけ、最後に勝利するのが通常のタイガーのやり方ではないだろうか?しかし時間は経過している。1996年、彼がまだスタンフォードの学生だった頃以来、全米オープンのワールドワイド大会を3勝しないことは無かった。今年9大会で1度しか優勝しておらず、優勝争いも1度だけ。

この1度がワコビア選手権の最終日。調子は悪かったが、度胸と心と決意で順位を上げていった。217ヤードの17番、5番アイアンでグリーンにのせ、30フィートのパッティングがホールに沈んだときは大きくガッツポーズをとった。彼は復活したようにも見えた。

またもやタイガーの夢のようなフィニッシュを飾るためのステージが完璧に整っていた。またスクラップブックに載せることができる出来事が目の前で起ころうとしていた。18番ホールを力強いティショットで始め、ピッチウェッジを手に、フェアウェイに立ちホールの上に靡く旗を見つめる。しかし今回は異なるエンディングに終わっている。ショットは短く右へそれてしまい、グリーンを転がり落ちた。チップもホールへ入らずタイガーらしくない結果に終わった。

PGAツアープロが長年経験していることを彼は今学んでいるのだろう。タイガー・ウッズの後を追うのは難しい。

Golfweek

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