ツアー3位のチッピング巧者が…松山英樹は「普通のパーセーブ」できず出遅れ
◇メジャー第2戦◇全米プロゴルフ選手権 初日(15日)◇クエイルホロークラブ(ノースカロライナ州)◇7626yd(パー71)
中盤までに3バーディ(1ボギー)の良いムードが、一打で一変した。後半12番、松山英樹の1Wショットは鋭く左に飛び出し木に当たった。パー4の2打目で、ラフから249ydが残る。ロングアイアンで懸命にグリーン右手前のバンカーに運んでも、ボギーがやっとだった。
ピンが立っていたのはグリーン奥の段の、狭く、盛り上がったエリア。「ティショットがあそこ、セカンドがあのバンカーでは、なかなかパーは取れない状況。よくボギーで上がれたなという感じだったので、ひきずるような感じはなかった」と思いつつ、挽回に至らなかった。スコアを伸ばしたい14番はセミラフからの2打目をピンに絡められず、15番(パー5)はバンカーに2度入れて4オン1パットのパーどまり。
クエイルホロークラブの上がり3ホールはグリーンマイルの愛称で親しまれる超難関だけに、直前の停滞が痛い。16番は残り217ydの第2打で目を凝らしたアイアンショットがわずかにグリーン左へ。池越えの17番(パー3)はティショットを右手前にこぼした。
松山が悔やむのがその後の処理だ。「あそこからパーセーブできないのが今の状態。両方とも普通にセーブできる状況からボギーにしてしまっている」。この日のスクランブリング率(パーオン失敗時のパーセーブ率)38.89%は、今季のPGAツアーでの平均69.96%(ツアー3位)に遠く及ばなかった。
持ち味を発揮できずに3バーディ、4ボギーの「72」で1オーバー60位。予選通過圏内(36ホール終了時の上位70位タイまで)という順位は慰めにならない。
最終18番、残り199ydからのセカンドでピンの右を攻め、5mのチャンスをつくった。「(バーディパットを)決め切ることができたら気分は晴れやかに帰ることができたんですけどね」。ホールアウトは午後7時過ぎ。パーでの終わりが、やはり悔しい。「あしたは取りこぼさないようにできたら」。2日目のティオフは午前8時11分(日本時間午後9時11分)。準備を急ぐ。(ノースカロライナ州シャーロット/桂川洋一)