松山英樹は雨に打たれて必死の調整 同じコースで逆転負けした8年前「うまかったな」
◇メジャー第2戦◇全米プロゴルフ選手権 事前情報(13日)◇クエイルホロークラブ(ノースカロライナ州)◇7626yd(パー71)
シャーロットに入ってから、松山英樹はどうにも天候に恵まれない。「トゥルーイスト選手権」を17位で終えた夜に移動。翌12日(月)は午後1時過ぎにコース入りし、パッティング練習を始めた矢先に猛烈な雨に打たれ、宿舎に引き返した。
開幕を2日後に控えた13日(火)も空は不安定。午前10時半から久常涼と練習ラウンドを始め、アウト6ホール目を回っていたところで雷雲が近づき一時撤収を強いられた。約2時間の中断後に残りの3ホールをチェック。「あしたも天気がどうなるか分からないので、できれば(きょうのうちに)18ホール行きたかった」のが本音だった。
今季のメジャー第2戦を前に状態は「良くはないですね」と自己分析する。4週ぶりのツアー復帰戦となった先週はティショットが荒れた。第1打のスコア貢献度を示すストローク・ゲインド・オフ・ザ・ティは「-2.48」で72ホールをプレーした69人中64番目。開幕前に1Wショットの調整を急ぐ理由がある。
コースは連日の雨の影響でボールが転がらず、「セカンド(ショット)の距離が長く感じる」。それでいて、地下から芝生に温風を送るサブエアーシステム(Sub Air System)が搭載されているグリーンは硬いまま。「ラフも短いとはいえ、しっかり沈む。フェアウェイをとらえないと厳しい形にはなるかなと思います」。同じ戦いぶりを2週繰り返すわけにはいかない。
クエイルホロークラブは昨年まで「ウェルズファーゴ選手権」(現トゥルーイスト選手権)を開催。2022年には世界選抜と米国選抜の対抗戦「プレジデンツカップ」を迎え、17年8月にこの全米プロをホストした。当時25歳だった松山がメジャータイトルを獲り損ねた試合だ。首位で迎えた最終日後半に、同組のジャスティン・トーマスに逆転負けして5位。8年前を回想し「すごく良いプレーをしていた、うまかったな」と、いま感じる。
ただそれ以上、思い出に浸る様子はない。「5月と8月ではコースの雰囲気も全然違いますし、当時のことを思い出しても何の意味もない」。そもそも、5月開催の当地でのウェルズファーゴ選手権は過去5回の出場で最高位は16年の11位。必ずしも好相性とは言えない。「良いプレーをするために準備できたらいいなと思います」。練習場でのラストスパートにも熱がこもる。(ノースカロライナ州シャーロット/桂川洋一)