久常涼は“スタジアム”がちょっと苦手 隣のベテランキャディは誰?
◇米国男子◇WMフェニックスオープン 初日(6日)◇TPCスコッツデール スタジアムコース(アリゾナ州)◇7261yd(パー71)
スコッツデールの16番はいまや、PGAツアーを代表するパー3。巨大観覧席に取り囲まれたホールを久常涼は「嫌い」と苦笑いする。
大会初出場は初日に繰り上がりが決まった1年前。「(16番は)もう緊張して仕方がない。去年、練習ラウンドでホールインワンをしかけたのに、それからグリーンにのっていない。だんだん狭く見えてきた」。迎えたことしの初日、164ydを9Iで放った第1打はグリーンの奥ギリギリで止まっていたが、10mから3パットボギー。スタンドからはブーイングが飛んだ。
インスタートの出だし10番でボギーをたたいた後、5mを沈めた12番(パー3)から2連続バーディを奪っていた。悔しい16番のボギーの後、18番では左サイドに広がる池を恐れることなく、1Wで351ydドライブを放ち、フェアウェイのど真ん中をとらえた。その後が続かなかったのがこの初日の展開。残り82ydからの2打目はピンの右7mへ。「良いところから打てているのに、“それでコレ”というのが本当に残念」と嘆く場面が続いた。
後半は4番(パー3)で4.5mのバーディパットを沈めた直後、3パットボギーが2回続いた。1Wショットは5番も6番も成功。「ショットの調整がうまくいったのは納得できる。グリーンが硬いコースが苦手だから、流れを自分で悪くしてしまった。もったいないですよね」と唇をかむ。3バーディ、5ボギーの「73」で2オーバー暫定92位。風の穏やかな午後のコンディションを味方にできなかった。
今週から新しいキャディとコンビを組む。トラビス・マクアリスター氏はこれまでマーベリック・マクネリらをサポートしたベテラン。5月以降は元世界アマチュアランキング1位(現在は6位)の有望株、ゴードン・サージェントのバッグを担ぐことが決まっており、それまでに知識と経験を吸収する考えだ。
出遅れにも、ティショットへの充実感から「希望は持てる気がする」と前向きに話した。ジャッジ、選択をもう少しうまくできるように。良いショットを打っても良いところに行かなかったら悪い結果につながってしまう」。予選通過をかけてアウトから出る2日目は、苦手意識のある16番が終盤に回ってくる。次こそは喝采を浴びたい。(アリゾナ州スコッツデール/桂川洋一)
