2020年 マスターズ

衝撃のウッズ初優勝~ 名場面を振り返る/幻のマスターズウィーク

2020/04/13 06:16
2005年マスターズ。ライバルからライバルへ(Photo by David Cannon/Getty Images)

新型コロナウイルス感染拡大のため、11月に延期された「マスターズ」。本来であれば、今週がオーガスタでのゴルフの祭典でした。この時間にはグリーンジャケットの栄誉を手にする選手は決まっていたはずです。前年はタイガー・ウッズが14年ぶりに大会を制覇し、完全復活を遂げました。ウッズ衝撃の初優勝から、名場面を振り返ります。

■タイガー・ウッズの衝撃 圧倒的なマスターズ初制覇(1997年)

ウッズは衝撃的な強さで1997年のマスターズ王者に(Stephen Munday Allsport)

タイガー・ウッズが大会最多アンダーパー記録を塗り替える通算18アンダーで2位のトム・カイトに12打差をつける衝撃的なマスターズ初優勝を飾った。それ以前の2位との最大差優勝は1965年ジャック・ニクラスの9打差。ウッズの21歳3カ月での優勝も史上最年少記録だった。

■最終日の健闘 ジャック・ニクラス(1998年)

98年のマスターズを盛り上げたニクラス(Augusta National/Getty Images)

大会最多6勝のジャック・ニクラスが最終日まで健闘して6位。優勝したマーク・オメーラには4打及ばなかったが、決勝ラウンドは2日連続のアンダーパーをマークした。キャディの肩を抱きながらホールアウトする当時58歳のニクラスにパトロンから労いの拍手が送られた。

■メジャー4連勝と連覇 タイガー・ウッズ(2001、02年)

ミケルソンとの直接対決に打ち勝ちメジャー4連勝を遂げた(Augusta National/Getty Images)

2000年の全米オープンからメジャー3連勝でオーガスタに入ったウッズ。2日目に6アンダーをマークして2位につけると、首位で出た最終日は最終組でのフィル・ミケルソンとの争いを制し、年をまたいでのメジャー4連勝を達成した。さらに翌02年は1965、66年のニクラス、89、90年のニック・ファルド(イングランド)以来となる史上3人目のマスターズ2連覇を遂げた。

■無冠の帝王を返上 飛んだフィル・ミケルソン(2004年)

メジャー初優勝にミケルソンはこのジャンプ( Augusta National/Getty Images)

4mを決めたフィル・ミケルソンが両手を挙げ大ジャンプ。アーニー・エルス(南アフリカ)を1打差で振り切った。すでにツアー23勝、初優勝からは13年が経っていた。メジャータイトルだけが遠かったビッグレフティが、“無冠の帝王”を返上した瞬間だった。

■“奇跡のチップイン” タイガー・ウッズ(2005年)

伝説のチップイン。大会の語り草に(Al TielemansSports Illustrated via Getty Images)

“奇跡のチップインバーディ”は、最終日の16番(パー3)。ウッズがスピンをかけたボールは傾斜をつたい、緩やかに転がるとカップの縁で止まったように見えた。が、次の瞬間、最後の一転がりで吸い込まれた。終盤に並ばれたクリス・ディマルコをプレーオフで下してマスターズ4勝目。16番こそが大会史に残る名シーンとして語り継がれている。

■ライバルとグリーンジャケット(2006年)

2006年マスターズ。ミケルソンが王者に返り咲き(Photo by Hunter MartinWireImag)

表彰式で前年優勝者からグリーンジャケットを羽織ってもらうのが大会の慣例。長年、ライバルとされたウッズとミケルソン。2005年大会の表彰式では、優勝したウッズが前年優勝ミケルソンからグリーンジャケットを贈られ、06年はミケルソンが王者に返り咲き。ウッズからグリーンジャケットを取り返した。

■南米勢の初制覇 アンヘル・カブレラ(2009年)

南米勢初の王者に輝いたカブレラ(Ross Kinnaird/Getty Images)

欧米以外で初のマスターズ王者に輝いたのはアルゼンチンのアンヘル・カブレラだ。首位にいたケニー・ペリーが上がり2連続ボギーと失速。ペリー、チャド・キャンベルと並んだ3人のプレーオフでは1ホール目に木の根元付近に第1打を落とすピンチから脱して辛うじてパーを拾い、2ホール目で決着をつけた。

■アダム・スコット豪州勢の悲願 マスターズ王者に(2013年)

スコットがオーストラリア勢初のマスターズ王者に(Mike Ehrmann/Getty Images)

アダム・スコット(オーストラリア)が09年王者のカブレラをプレーオフ2ホール目で下し、悲願のオーストラリア勢初のマスターズ王者になった。雨中のオーガスタで、過去3度2位の母国の先輩グレッグ・ノーマンの名前を挙げ、「彼は僕やオーストラリアの若い選手たちにとって、本当に大きな存在。この一部は間違いなく彼のものだよ」と語った。

■タイガーに並ぶ18アンダー ジョーダン・スピースの勢い(2015年)

ウッズの記録に並ぶ18アンダーで制したスピース((Andrew Redington/Getty Images)

ジョーダン・スピースが1997年のウッズの大会記録に並ぶ、通算18アンダーで初制覇を果たした。21歳8カ月はウッズに続く史上2番目の年少優勝。大会初日から首位を守り抜き、2位に4打差をつける完全優勝を遂げた。勢いに乗り、同年「全米オープン」でのメジャー2連勝につなげた。

■神の子が羽織ったグリーンジャケット セルヒオ・ガルシア(2017年)

悪童とも呼ばれたガルシアがこの喜びで表現

ジャスティン・ローズ(イングランド)をプレーオフ1ホール目で破ったセルヒオ・ガルシア(スペイン)は雄叫びを上げた。1999年、19歳で出場したマスターズでローアマチュアに輝いて以来、19度目のマスターズ出場。神の子と呼ばれ、数々の問題発言を繰り返したガルシアが、74度目のメジャーで祖国の英雄、故セベ・バレステロスの誕生日に悲願を達成した。

■完全復活のマスターズ制覇 タイガー・ウッズ(2019年)

完全復活の瞬間。ウッズが11年ぶりのメジャー制覇

ウッズが11年ぶりのメジャー制覇を飾った。フランチェスコ・モリナリ(イタリア)、ブルックス・ケプカらとの混戦を制し、最終日に2打差を逆転。プライベートの問題、4度の腰の手術から一時は引退の可能性を示唆するも、前年のツアー最終戦「ツアー選手権」で5年ぶりの復活優勝。5着目のグリーンジャケットが完全復活を印象付けた。

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