西村優菜が涙の予選通過 持ち越した最終9番でスーパーバーディ
◇女子メジャー第1戦◇シェブロン選手権 3日目(26日)◇ザ・クラブatカールトンウッズ(テキサス州)◇6911yd(パー72)
朝もやの残る午前7時半前、西村優菜は思わず目に涙を浮かべた。「すごく意味のある一打だった」。日没サスペンデッドにより、持ち越していた第2ラウンドの最終ホールで起死回生のバーディを奪取。予選通過圏外から64位で決勝ラウンドに滑り込んだ。
前日は17ホール目の後半8番(パー5)でバーディを奪って順延になった。通算3オーバーとカットラインに1打足りない状況で、一夜明けた午前7時に再開を迎えた。
残された最終9番は右サイドに池がひろがる難関パー4。朝イチの1Wショットでフェアウェイをとらえると、残り175ydの第2打は7Wでピンそば1m弱につけるスーパーショットとなった。パットを沈め、第2ラウンドを2日がかりで3バーディ、2ボギーの「71」でまとめ、通算2オーバーとした。
午前6時前にコース入りし、夜明け前の練習場では「状態が悪く、あまり良い雰囲気ではなかった」という。「それを忘れて打つしかないと思ってティグラウンドに立ちました。とにかく“自分の一打に集中しなきゃいけない”と思っていた」。ドライビングレンジの最後のショットはいつも1Wと決めている。ただ、この日は9番ホールの2打目を想定して7Wでフェードボールを打った。「練習したショットに近い距離が残ってくれたのはラッキーでした」。わずかな可能性にかけ、準備を怠らなかった。
米ツアー3年目の今季は開幕から不振が続く。前週まで、4日間プレーしたのは予選カットがないアジアシリーズの2試合だけだった。「まだ“神頼み”という感じではあるんですけど、この1ホールに全集中できたのは良かったです」。長いトンネルの先に光が見えた。(テキサス州ザ・ウッドランズ/桂川洋一)