苦しんだ「ラインのせ」の作業 渋野日向子は今季ワーストの出遅れ
◇米国女子◇JMイーグルLA選手権 初日(17日)◇エルカバレロCC (カリフォルニア州)◇6679yd(パー72)
ことし戦いの舞台に選ばれたエルカバレロCCは、ロサンゼルス市街地の西に位置する。なだらかな山間にあり、全体のアップダウンはもとより、グリーンの傾斜が激しい。渋野日向子の後半11番(パー5)。1W、3Wと力強いショットを続け、フェアウェイからの3打目は残り67yd。ウェッジでの一打は、飛び方を眺めて「ヤバい」と思った。
ピンが立つ奥の段に着弾したかに見えた矢先、スピンと手前へのアンジュレーションにより、ボールが花道まで引き戻された。4打目を1mに寄せてパーセーブしたものの、高い精度を要求されると知っているからこそ、「最悪なミスだった」と反省した。
12人が出場する日本勢の最後、午後1時40分過ぎに始めたラウンドは終始、気温15℃前後という冷たい空気に包まれた。「寒さに影響されないくらい(ショットは)飛んでいました。体も動いている感覚はあった」と1Wを何度も振り切ったが、序盤はグリーン上で停滞。1番(パー5)のバーディ発進の後、ショートパットを外した2番から2連続ボギー。「きょうはパッティングが本当に足を引っ張った」と嘆いた。
「ラインにのせる作業が最初の方であまりできていなかった」と、2オンさせて2つ目のバーディを奪った7番(パー5)の前後もしっくりこなかった。第2打を左のバンカーに落とした10番、3mのパーパットを沈めたあたりから徐々に復調。バックナインを回りながら「ちょっとずつイメージがわいてきて、打ち出したいラインに向きやすくなった」という。
手応えをつかんだところでのトラブルが痛い。14番でティショットが右サイドに流れ、木のそばからの2打目は前に進めるのがやっと。4オン2パットのダブルボギーが響き、「74」をたたいた。上位がスコアを伸ばし合うリーダーボードで、2オーバーは今季の初日ワースト順位、128位の出遅れだ。
「途中は本当にどうしようもない感じだった。ちょっときっかけをつかめた部分はあった」のが2日目への救い。「あしたは朝のスタートで寒い。身体がきょうくらい動くか分からないけれど、そこはグリーン周りでしっかり耐えたい。バーディもたくさん獲らないと(予選を)全然通れないので、攻め切れるように頑張りたい」。挽回のロースコアが求められる。(カリフォルニア州ロサンゼルス/桂川洋一)