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ツアープレーヤーたちのオリンピック<谷口徹>

北京オリンピックの余韻覚めやらなかった先週の「バナH杯KBCオーガスタ」。プロゴルファーたちの間でも、その話題で持ちきりだった。みなそれぞれがお気に入りの感動のシーンを語る中で、賞金王の谷口徹が引き合いに出したのが競泳のことだった。と、言っても連覇を達成した北島康介についてではなく、彼がそれを着て出場したという水着の話。

8月のジャパンゴルフツアーは3週間のオープンウィークのことだった。「全米プロ」からの帰国後、久しぶりに取れた夏休みは長女・菜々子ちゃんを連れて、家族でプールに出かけることになったのはいいが、谷口が困ってしまったのが日焼けのこと。毎週、炎天下でゴルフをしている。「何を今さら」と、簡単には言い切れない理由がある。「だって僕らの場合、焼けているのは顔と腕だけだから」。

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そのほかの部位は、ほとんどの陽にさらされることなく「真っ白け」だ。つまり、パンダ状態。そんな姿を公衆の面前でさらけ出すのは、けっこうな勇気がいるというものだ。「それに、普段焼いていない箇所を焼くと、ものすごくひりひりするでしょう?」。そういえば、やはり谷原秀人が海水浴に行って火傷に近い状態に陥り、服が擦れるたびに痛くて、しばらくクラブも振れないくらいだった、とこぼしていたことがある。

谷口も、それを警戒して防御策をとろうと考えた。そこで、ひらめいたのが話題のレーザーレーサーだったのだ。それを着て五輪に出場するか否か。物議をかもしたスピード社の水着は、胸まで隠すワンピース型なら谷口のそこだけ真っ白けの上半身も覆い隠せる。「そう思って探しに行ったんですけどね。やっぱり、そのへんの店には売ってなかったですねぇ」と、苦笑した。作戦は失敗に終わり(?)けっきょく海水パンツの上にTシャツを羽織る形でしのいだそうだ。

とにもかくにも、菜々子ちゃんにとってはそれが生まれて初めてのプールだった。「ものすごく喜んでくれた」そうで、愛娘の笑顔に癒された夏休みが終わったら、いよいよツアーは後半戦に突入だ。昨年の賞金王も、今季未勝利。そろそろ本領発揮して、今年も金メダル級の活躍で、盛り上げて欲しいものである。



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