故郷の大地震から10年 熊本出身の有村智恵「皆さんの前で良いプレーを」
◇国内女子◇KKT杯バンテリンレディスオープン 事前(16日)◇熊本空港CC(熊本)◇6595yd(パー72)
ちょうど10年前、故郷は天災に見舞われた。2016年の4月に発生した熊本地震は14日夜と16日未明に益城町などで震度7の揺れを記録。開幕直前に周辺地域が被害を受けた本大会は中止を余儀なくされた。有村智恵が忘れがたいのは、地元に刻まれた傷跡だけでなく、周囲の人々の反応だったという。
「試合はもう、やらないの?」。避難所を訪れた際、被災者からかけたれた言葉が印象的だった。「『すごく楽しみにしていたのに』といろんな方から言われて。こんな状況下でもゴルフを観たいと思ってくださるんだな…と、プロゴルファーとして刺激のようなものを受けました」
米下部ツアーを主戦場としていた当時、有村は大会にスポット参戦。実家でマッサージを受けている最中に揺れを感じ、熊本市内の知人方に家族で一時的に自宅を離れた。復興の道筋をたどりながら、熊本とゴルフとの関係性を強く認識させられるようになった。「この地にはそういう方々がたくさんいるということを、すごく感じながら毎年来ている。皆さんの前で良いプレーをして、楽しんでもらえるように頑張りたい」。10年目の節目だからではない。どの年も、春は背筋がいっそう伸びる思いがする。
予選ラウンドは県勢の同じベテラン、笠りつ子、そして不動裕理と同じ組に入った。有村は2週ぶりに出場する。直近の「ヤマハレディース葛城」は予選落ち。「(大会でプレーすることが)楽しくなってしまって、試合の日の朝にちょっと寝違えたりして。それが原因ではないんですけどね。やっぱり“昔の感じ”でやっちゃって。運動会でケガをするお父さんたちの気持ちがわかります…」と、双子のママは38歳という年齢とも格闘中。「練習をだいぶ抑えめにした中で仕上げるのが今の課題」。たくましさを見せたい相手は増え続けている。(熊本県菊陽町/桂川洋一)