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バッバ・ワトソンの描く夢「日本でPGAツアーの大会を!」

バッバ・ワトソン(米国)の日本ツアー初勝利はお預けになった。静岡県の太平洋クラブ御殿場コースで行われた「三井住友VISA太平洋マスターズ」は最終ラウンドが濃霧のため中止となり、前日3日目までのスコアで競技が成立。首位に2打差の3位から出る予定だったワトソンの逆転の願いは深い霧に消えた。

100yd先のターゲットすら霞んでいた。ワトソンら最終組のスタート時刻は遅延を繰り返し、午前10時30分に最終ラウンドのキャンセルが決定。世界のレフティを一目見ようとコースに足を運んだ約4000人の観衆はため息をついた。

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肩を落としたのはワトソン本人も同じ。「非常に残念。たくさんのファンが来ていたのに。結果は良くなるか悪くなるか分からなかったが、プレーしたかった。もちろん優勝できるポジションにもいたしね」。プレーで魅せることができなかった代わりに、集まったギャラリーにサインをし続けた。

前年大会に続き、前日までの3日間ではパワーもさることながら、大いにそのテクニックも披露した。左右に大きくボールを曲げてコースを攻める規格外のプレー。「プレッシャーのかかるトーナメントでは、真っ直ぐな球を求め続けることは難しい。僕は2012年のマスターズで(プレーオフで)林からフックボールを打って優勝した。ゴルフを始めて、遊びの中で培った技術なんだ。とはいえ、子供たちにはボールを曲げるばかりじゃなく、フェアウェイに打つ練習をしてほしいけどね(笑)」。今年も獲得賞金の765万円は全額、日本のジュニア育成団体に寄付することも明らかにした。

10月には韓国で行われた「ザ・プレジデンツカップ」に、前週は中国での「WGC HSBCチャンピオンズ」に出場した。12月にはアジアンツアーの「タイランド選手権」にも参戦予定。秋冬に世界を巡るシーズンが続く中、今大会直前には太平洋クラブの名誉会員となり、日本への興味関心は一層高まった。

ワトソンが描くのは、この日本でも世界に誇るビッグトーナメントを招致する夢。「僕のチーム全員がここに滞在できることを喜んでいる。ここはコースも、芝もアメリカのレベルとそん色がない。まだ秘密にしておこうと思ったんだけど、近い将来にPGAツアーを日本で開催ができないだろうかと各方面に話を持ちかけているところだ」。窮状ばかりが目立つ国内男子ツアー。だが、そこに可能性を見出しているスーパースターが確かにいる。(静岡県御殿場市/桂川洋一)

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2015年 三井住友VISA太平洋マスターズ

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