小木曽喬が“日本初優勝” 「後輩を賞金王に」弟分の金子駆大をアシスト
◇国内男子◇日本シリーズJTカップ 最終日(7日)◇東京よみうりCC(東京)◇7002yd(パー70)◇晴れ(観衆3823人)
3人が並ぶ首位で終えたムービングデーの夜、小木曽喬は同じ愛知県出身の金子駆大と夕食をともにした。かつて一緒に下部ツアーでプレーした5歳下の可愛い弟分は、賞金王争いの最終局面。蝉川泰果と大岩龍一が優勝を逃した時点で戴冠が決まる状況に、28歳は勇み立った。「後輩を賞金王にしてみたい」。自分が勝つことで、願いがかなうことを誰よりも分かっていた。
吉田泰基、ソン・ヨンハン(韓国)と同じ8アンダーでスタートした最終日最終組で、小木曽は抜け出すときをじっくり待った。序盤4ホールでパーを並べ、前半5番で3mを沈めてバーディが先行。続く6番(パー5)でグリーン右からチップインイーグルを奪うと、その後はツアー1勝選手とは思えぬほど堂々とサンデーバックナインを戦った。
ティショットを左に曲げた12番で4mのパットをねじ込んでパーを拾う。17番(パー5)で後半3つ目のバーディを奪い、18番のティイングエリアで後続と3打差がついたことを確認した。「3打差あったら…と思っていましたけど、全然余裕がなかった」と名物パー3ではやはり最後まで気が抜けない。グリーン右手前のラフからの2打目をピンそば1m強につけてから2パットボギー。「3パットでも勝てる状況を作れたことが良かった」とフィールドベストの「65」をマークし、通算13アンダーでタイトルをつかんだ。
昨年、韓国で行われた日韓共同主管競技の「ハナ銀行インビテーショナル」でツアー初優勝。節目の白星を手にしても、「日本で勝ちたい。このまま勝てず、韓国で1勝ではすごく寂しい」というのが本音だった。今季はフェースが開きやすい悪癖をなおそうと懸命に練習。「夏場にシャットになり過ぎた」と後半戦は微調整を繰り返し、ラストゲームで最高の成果が出た。
「僕、まったく海外志向がなくて。日本ツアーが大好きなんです」と語る。その信念は獲得した3年シードで変化するかもしれない。中学3年生で福井工大福井中に転校してから同部屋で尊敬し続けてきた先輩が、DPワールドツアー(欧州ツアー)を主戦場とする川村昌弘だった。プロ仲間の香妻陣一朗に続いて、来季は浅地洋佑がLIVゴルフでプレーする。
そして次週、米ツアーの来季出場権をかけた最終予選会に向かうのが金子だ。「周りの選手に刺激をもらっている。自分も挑戦したいとこれから思うんじゃないかと思います。そういう気持ちが出て来るかもしれない」。最終戦優勝者と新賞金王は日曜日の夜も一緒に過ごす予定。「きょうもご飯に行くので楽しみです」。花が咲く話のネタは、互いの将来のことに決まっている。(東京都稲城市/桂川洋一)