2025年 東建ホームメイトカップ

ゴルフを始めたきっかけは「Wiiスポーツ」 飛ばし屋・内山ハルトができるまで

2025年 東建ホームメイトカップ 2日目 内山遥人
国内ツアー初の予選通過。内山遥人は8位で決勝ラウンドへ (C)JGTOimages

◇国内男子◇東建ホームメイトカップ 2日目(11日)◇東建多度カントリークラブ・名古屋(三重)◇7069yd(パー71)◇曇り(観衆3006人)

22歳・内山遥人のゴルフデビューは、物心がついてちょっと経った頃だった。「実際のゴルフよりも、リモコンが先でした(笑)」。専用コントローラーを握り、実際の競技に近い動きで遊べる家庭用テレビゲーム『Wiiスポーツ』がきっかけで始めたゴルフ。まさかこんなに早く、ツアーの舞台に立てるとは。

通算7アンダー8位と上位で予選通過したが、これがレギュラーツアーで迎える初めての週末になる。2022年にプロ転向し、昨年の下部ツアー賞金ランク15位の資格で今季前半戦の出場権を獲得。「自分が思っていたよりもスムーズに来ている」と振り返ったゴルフ人生は、ゲームのコントローラーをクラブに持ち替えた9歳のときに始まった。

「ゲームってすごい簡単。何も考えずに振れば真っすぐ行くし、“ピッ”て止めるとちゃんとスピンもかかる」。画面越しに回った18ホールのベストスコアは15アンダー。楽しくなって本物のクラブを振ってみたら「全然、違いました」と笑ったが、“リアル”のゴルフの楽しさにハマっていった。

プロゴルファーの将来像を描き始めたのは中学生の頃。当時は目立った実績はなく、名門ゴルフ部からのお誘いはもらえない。「地元の高校に行って、自分でゴルフをしようかなって」。ゴルフ部のない地元・福岡県の糸島高校に進学し、練習場のティーチングプロに教わってチャンスを待った。

高校でもめぼしいタイトルはゼロ。卒業後は同県の芥屋GCで研修生を行いながら、キャリアが進み始めたのは2年後だった。22年に初めて挑戦した予選会(QT)はファーストステージで敗退。ツアー出場権は得られなかったが、飛距離アップのために180cmの体の使い方やクラブを見直し、徐々に増したパワーが武器になった。

翌23年のQTでサードステージまで進み、下部ツアーの出場権を獲得。いまではプロ転向当時から体重は20kgアップの82kg、平均飛距離は20ydアップの310ydとレギュラーツアーでも全く引けをとっていない。今週も2日間の平均飛距離は331.26ydでフィールド1位。「初日はカート道で跳ねたホールもあった」とラッキーもあったが、パワーを生かして首位と5打差で週末に入る。

「まずは前半戦でシードが獲れたら一番いい。チャンスがあれば、優勝を目指して頑張りたい」。ひとつずつ目標をクリアして行く夢の舞台は、意外とゲームに似ているのかもしれない。(三重県桑名市/谷口愛純)

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