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“完ぺき”はまだ先に カムバックVの石川遼「全てはもっと強くなるため」

◇国内男子◇三井住友VISA太平洋マスターズ 最終日(13日)◇太平洋クラブ御殿場コース(静岡)◇7262yd(パー70)

冷たい雨を受け止めたグリーンにボールが消える。わずかなスライスラインを伝った4mのバーディパットの行方を見て、石川遼は天を仰いだ。「入った瞬間に(頭の中が)真っ白になった」。優勝はもう18回目だというのに、心境はどこか実感がないままだった。

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2019年12月「日本シリーズJTカップ」以来のタイトルを目がけ、すべての一打に同じだけ、力を尽くした。首位に3打差の2位スタートで、5mを沈めた前半4番(パー3)での3つ目のバーディで単独トップに躍り出ながら、逃げ切れず大混戦を招いた。8番までに2ボギーをたたき、ハーフ終了時に星野陸也蝉川泰果に並ばれ、1打差にはさらに3人いた。

バックナインにかけてリードを自ら失う悪い流れ。「ショットのミスはめちゃくちゃ多かった」と球の制御に苦しんだが、「“ガムシャラで”打つようなことはなかった」という。2年前の春から取り組んできた改造中のスイングを自分のものにしようと、この日も必死だった。「とにかく自分が取り組んでいること、やるべきことをやり続けた。全ては将来もっと自分が強くなるため。一打、一打。打ち方だけでなく、攻め方や考え方も意識した」

後半12番、残り110ydの2打目をピン手前2mにつけ、首位の星野をとらえるバーディを奪った。突風にあおられた14番、2打目をグリーン手前の池に落としてダブルボギーをたたいて後退した直後、15番で5mのチャンスを作りバウンスバック。同ホールを3パットボギーとした相手に、また食らいついた。

終盤17番(パー3)を含む難所でパーを並べ、「69」で正規の18ホールを終えた。ともに通算8アンダーで突入したプレーオフも勝負の行方は一進一退。1ホール目で“決めれば勝ち”の2mのバーディパットを外して延長戦は続いた。

2ホール目、3Wでの第1打は大きく右に曲がりベアグラウンドへ。今度こそ息絶えたかに思われても、「打てるところにある。まだチャンスをもらえている」と奮い立った。懸命に左ラフまで運び、残り130ydをロフト48度のウェッジで3打目をピン手前4mへ。「結局は泥臭くバーディを獲って終わり」。大好きな御殿場での出場はキャリアで13回目。2012年以来の大会3勝目は、19年のコース改修後の初勝利となった。

2年11カ月ぶりの優勝は、30代になってからの1勝目でもある。中堅世代に差し掛かり、伸び盛りの若手の存在に刺激を受けてはいるが、ここが終着点であっていいはずがない。「ゴルフに対する考え方は変わって、勝ててホッとしたところはあるが、これからもっと頑張りたいという思いが強い」

今はまだウィナーズサークルに帰ってきただけ。「『これ以上ない、完ぺきなプレーをした』と自信を持っては言えない。(池ポチャの)14番、ミスしてはいけないところにミスをした。振り返った時、そう冷静な自分がいる」。描く理想はまだずっと先にある。(静岡県御殿場市/桂川洋一)

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