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『HOT LIST JAPAN 2013』クラブ開発の背景に迫る!Vol.6(マルマン編)
『HOT LIST JAPAN 2013』で高評価を得たクラブは、どのように開発されたものなのか。企画開発の担当者へのインタビューから、メーカー側の視点を探っていく。今回取材したのは、コンダクターとマジェスティの両ブランドからメダリストを輩出したマルマン。同社のクラブ開発におけるこだわりと、最新の素材と製法を活かしたクラブ作りについて聞いた。
■ マルマン『HOT LIST JAPAN 2013』受賞クラブ■
ドライバー部門:シルバー賞「コンダクター PRO-X」
フェアウェイウッド部門:ゴールド賞「マジェスティ ロイヤルLV」
往年のロゴを採用して原点回帰!誰もが球をつかまえて飛ばせるクラブを
メダルを受賞したコンダクターPRO-Xドライバーは、シンプルなソール形状が目を引くモデルだ。ソール面に配されているのは、交換式のウエイトと商品名の刻印のみ。この2013年度のモデルのブランドロゴには、昔ながらの筆記体の旧ロゴが採用されているが、ここにコンダクターの開発におけるマルマンの意気込みがうかがえる。
「コンダクターは1980年代に設立され、長年プロモデルのクラブを作り続けてきたブランドでした。2008年にコンダクターからもアベレージゴルファー向けのクラブを展開することになり、そのときに“プロ向けの手強いクラブ”という印象を払拭するためにロゴを新しくしたという経緯があります。しかし、2013年モデルではコンダクターというブランドを原点回帰させようとの思いから、ロゴもブランド設立当初のものを再び採用することにしました。メダルを受賞したPRO-Xドライバーは、プロがそのまま使える性能のモデルです。それでいてロフトやシャフトなどのスペックさえ選べば、ヘッドスピード42m/sの一般のゴルファーでも扱いやすいクラブとして開発されています。ロフトに関しては、8.5度と9.5度はスクエアフェースからほんの少しだけオープンで、10.5度はゴルファーに違和感を抱かせない程度にフックフェース。純正シャフトはXとSに加えてSRを用意しました」
コンダクター PRO-Xドライバーは、「フェースの弾きが良くて飛ばせる」、「オーソドックスな形状なのに球をつかまえやすい」、といったテスターからの高評価がメダル受賞につながった。球のつかまりやすさ、弾きの良さの秘密は何なのか。
「飛ばすためには、球をつかまえることが必須条件です。たとえ上級者向けのクラブであっても、左に引っ掛かるのはなくて、フェースに乗って球を捉えられる性能が備わっていなければいけません。球をつかまえすいクラブを作ることが、マルマンのクラブ開発の精神にもなっています。
球のつかまり具合にもっとも影響するのがヘッドの重心距離です。460ccの大型ヘッドになると、他社のドライバーのなかには重心距離が40mmを超えるモデルも珍しくありませんが、マルマンでは36mmが限界だと考えています。それ以上になると球をつかまえづらく、逆に短すぎるとヘッドの挙動が敏感になってコントロールしづらくなります。コンダクターPRO-Xドライバーは、ちょうど重心距離が36mm前後になるように狙って開発したモデルです。
もうひとつ、マルマンで重視しているのが重心深度を加味した本当の重心距離です。マルマンでは“真・重心距離”と呼んでいますが、フェース面状の重心位置ではなく、三次元的なヘッド内部の重心点とシャフト軸との距離を考慮して設計に取り組んでいます。適切な“真・重心距離”は、クラブに求められる性能やシャフトの長さによっても変わってきます。コンダクターはシャープに振ってけるように短めの設計、マジェスティではオートマチックに振れるように少し長めに設定されています。『HOT LIST』のテスターさんたちは、こういった設計上の工夫を感じ取って、高評価を与えてくれたのだと思います」