2011年 全米プロゴルフ選手権

プレジデンツカップ代表入りへの争い

2011/08/13 11:54
全米プロゴルフ選手権会場に現れたグレッグ・ノーマン

米ジョージア州アトランタ アスレチッククラブで行われている「全米プロゴルフ選手権」。今季の4大メジャー最終戦は、歴史に残るビッグタイトルや総額800万ドル(優勝144万5000ドル)の賞金はもとより、世界ランキングに反映されるポイントも最大級。世界トップ選手たちの鼻息は当然荒い。

世界ランクにおいて特に日本勢も関係してくるのが11月に行われる「ザ・プレジデンツカップ」だ。2年に一度、世界選抜と米国選抜が各チーム12人の代表選手を集めて争われる対抗戦。12人の選手は世界ランクで米国、欧州勢を除いた上位10選手とキャプテン推薦により2人が決まる。日本勢では過去2000年大会までに渡辺司尾崎将司尾崎直道丸山茂樹が選抜入り。そして前回の2009年大会では石川遼が史上最年少で名を連ねた。

その前回大会ではアウエー・米国での戦いに敗れた世界選抜。今年はホームのオーストラリア・メルボルンで開催される。世界選抜のグレッグ・ノーマン主将は今回の「全米プロ」の開幕前、会場に選抜候補選手を集めて激励し、士気を高めた。日本からは石川と藤田が参加。今大会のラウンド中も石川は同組のアダム・スコット(オーストラリア)から「今年は絶対負けちゃダメだ。また一緒にやろう」と声を掛けられていたという。

石川遼はスティーブ・ウィリアムスの“パワー”を徐々に実感…

ところで、そのスコットだが、現在キャディを務めるスティーブ・ウィリアムスは、前回大会でもちろん米国選抜の元相棒、タイガー・ウッズのバッグを担いでいた。選手が代表チームを行き来することは無いが、スティーブは(このままいけば)今年、世界選抜の味方になってくれる。今大会初日に「85」の大叩きとなった石川は「彼は常に励ましてくれた。選手のモチベーションを上げるのが本当にうまいのかもしれない。『これから先は長い。(今回の)結果は気にするな』と言われた」。選手として直接ポイントを稼ぐわけではないにせよ、チームにとっては心強い存在になるかもしれない。

けれどやっぱり気になるのは、あの2人の“対決”だ。前週の「WGCブリヂストンインビテーショナル」でのスコットの優勝に端を発したスティーブの“舌禍事件”は、今大会期間中にスティーブがウェブサイト上で謝罪するという事態に陥っている。全米プロで予選落ちしたタイガーの次戦は11月の「オーストラリア・オープン」。米国のキャプテンを務めるフレッド・カプルスはタイガーに故障の心配が無ければ翌週の「ザ・プレジデンツカップ」にも推薦出場させる見通し。もしもシングルス・マッチプレーで、アダムVSタイガーなんてことになったら・・・。やっぱり斜めから見てしまいそうだなあ。(米ジョージア州ジョンズクリーク/桂川洋一)

※参考…全米プロ直前における世界選抜候補の世界ランキング上位者(カッコ内の数字が世界ランキング)
1(7)ジェイソン・デイ(オーストラリア)
2(9)アダム・スコット(オーストラリア)
3(12)チャール・シュワルツェル(南アフリカ)
4(14)チェ・キョンジュ(韓国)
5(18)キム・キョンテ(韓国)
6(24)レティーフ・グーセン(南アフリカ)
7(27)アーニー・エルス(南アフリカ)
8(36)ルイ・ウーストハイゼン(南アフリカ)
9(38)ティム・クラーク(南アフリカ)
10(39)Y.E.ヤン(韓国)
11(40)石川遼(日本)
12(42)ジェフ・オギルビー(オーストラリア)
13(48)ロバート・アレンビー(オーストラリア)
14(50)アーロン・バデリー(オーストラリア)
15(54)ロリー・サバティーニ(南アフリカ)
16(60)池田勇太(日本)

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