母国スペインでリードしたいガルシア
今週開催される「スペインオープン」で、地元選手の代表として臨むカステニョン出身のセルヒオ・ガルシア(スペイン)は、「マスターズ」で好調だった流れをキープして大会をリードすることを見据えている。
今年で87回目となるこの大会が、ヴァレンシアにあるパラドール・デ・エルサレルにて開催されるのは今回が4度目。大会が1972年から欧州ツアーに加わって以降の最年少優勝記録である、22歳109日での優勝を成し遂げたガルシアは、今年11年ぶりの栄冠に挑むことになる。
アダム・スコット(オーストラリア)が劇的なサドンデスプレーオフを制し幕を閉じた「マスターズ」で、8位タイという好成績を残した33歳になるガルシアは、一路スペインの東海岸を目指す。今季自身最初のメジャー大会となった「マスターズ」初日、今大会のベストスコアとなる「66」で首位タイとなった欧州ツアー10度の覇者ガルシアは、最終日を「70」で回り「マスターズ」3度目のトップ10フィニッシュを果たした。
同じく「マスターズ」で活躍したガルシアの同胞、ホセ・マリア・オラサバル(マスターズ50位タイとなったライダーカップのヨーロッパチームキャプテン)、そして「マスターズ」2度目の出場で初日「68」という好成績を残し大会を20位タイで終えたマドリード出身のゴンサロ・フェルナンデスカスタノらも今大会に出場する。
フェルナンデスカスタノ、オラサバル、ラファ・カブレラベロー、そして他のスペイン人選手が挑むのは、大会史上5人目となるスペイン人選手の優勝だ。1972年に欧州ツアーとしてスタートしたこの大会を過去に制したスペインの選手は、大会初年の優勝者アントニオ・ガリード、セベ・バレステロス(1981年、1985年、1995年)、ガルシア(2002年)、そしてアルバロ・キロス(2010年)の4人だ。
冬期休暇中のスキーで骨折し4カ月間戦線離脱していたミゲル・アンヘル・ヒメネスもまた、今大会で通算599回目となる欧州ツアー出場で復活を果たしたいところだ。2001年のパラドー・デ・エル・セイラーでの3位タイを含む25大会中4度のトップ10フィニッシュを誇る欧州ツアー史上最年長優勝記録を持つヒメネスは、この大会で2013年シーズンをスタートさせる。
また、「マスターズ」では予選落ちとなった昨年の大会覇者フランチェスコ・モリナリ(イタリア)は、この大会が欧州ツアーに組み込まれて以降初の連続優勝に挑む。モリナリは創設100周年の節目の大会であった昨年、30歳のモリナリは14ホールで7つのバーディを奪う活躍によりスコア「65」を叩き出し、スペインのアレサンドロ・カニサレス、パブロ・ララサバル、そしてデンマークのソレン・ケルドセンを3打差で抑え、自身3度目となるユーロピアンツアータイトルを獲得した。
今大会2日目に20歳の誕生日を迎えるイタリアのマッテオ・マナッセロ(昨年7位)は、ガルシアの持つ大会最年少優勝記録を塗り替えることができるかに注目が集まる。既に欧州ツアーを3度制しているマナッセロは、アーノルド・パーマー、ベルンハルト・ランガー、ニック・ファルド、コリン・モンゴメリー、そしてパドレイグ・ハリントンら数々の英雄たちの仲間入りを狙う。
1972年にジローナのクラブ・ゴルフ・デ・パルスでの大会から欧州ツアーとして開催されている「スペインオープン」は、その60年前の1912年に創設された、ゴルフ界で最も歴史ある大会のひとつだ。