米キャンパスで奮闘するサムライ、なでしこたち(1)
日本から若いアマチュア選手が米国の大学に留学し、好成績を収めるケースが増えつつある。 過去には1999年、ジョージア大2年だった今田竜二が全米大学ゴルフ選手権団体で優勝、個人戦で当時ノースウエスタン大のルーク・ドナルドに次ぐ2位に入った。 また、テキサス大に留学していた服部道子、フロリダ大に在籍していた東尾理子らが、活躍した例がある。
現在、全米大学体育協会(NCAA)所属の大学ゴルフ部の選手で、1)日本国籍、2)日本で生まれ育った、3)両親のどちらかが日本人-のいずれかを満たすとなると、女子10人、男子6人の選手がいる。次世代のゴルファーに期待が集まる中、海外で奮闘している学生選手にスポットライトを当ててみたい。(ゴルフ解説者・アンディ―和田)
■ 中山綾香選手
神奈川県出身の中山綾香さんは、全米23位にランクされているセントラルフロリダ大学(UCF)の2年生。サウスカロライナ州にあるIJGAに3年間ゴルフ留学してから、UCFに進学。 今シーズンは、今田竜二のスイングコーチ、リチャード・エーブル氏から指導を受けた。 5月上旬のNCAA地区予選を突破し、全国大会出場の期待がかかる。
エーブル氏から薦められた「ウィニングマインド」というメンタル面強化に関する英語の本を読んだほか、弾道測定器「トラックマン」を使いながら距離のコントロールやショートゲームの向上を図り、メキメキと上達してきている様子だ。
UCFは前週、フロリダ州パームコーストで行われたアメリカンアスレチック コンファレンス(AAC)リーグ選手権では、団体優勝を果たした。エミリー・マロン監督は「チームの中でも一番練習する選手の一人。 春学期に入ってからはショートゲームも良くなり、新しいクラブにも慣れたきたようだ。今後の活躍に期待している」と話した。
■ 加治木悠叶選手
加治木悠叶さんは広島県出身の19歳、テキサス州のヒューストン大の1年生だ。 フロリダにあるモンベルデ・アカデミーで3年間の高校生活を送り、 ミッシェル・ウィやツェン・ヤニを指導したゲーリー・ギルキストコーチの指導を受けて腕を磨いた。昨年9月、ヒューストン大学に進学した。
ヒューストン大のゴルフ部は、1950年代から80年代にかけて全米制覇16回などの輝かしい成績を残した名門。 OBには、フレッド・カプルスや日本で賞金王になったデビッド・イシイらがいる。 しかし、女子ゴルフ部が設立されたのは意外にも昨シーズン。 昨年はNCAAの規定により個人参戦のみだったので、今シーズンが女子ゴルフ部の団体活動初年度となっている。
キネシオロジー(運動機能学)専攻の加治木さんは、9校が集まるAACリーグ最終戦で、最終日に5つのバーディを奪って「68」をマークし、自己ベストタイの3位の成績を残した。 監督のチェドウェル氏は「ボールコントロールが優れていたし、プレー中の感情コントロールもとても良かったです。 いいパッティングを沈められていました。 1年生なのに、この難しいコースでしっかり対応できてすばらしかった」とコメントしている。