全米プロゴルフ選手権
期間:08/12~08/15 場所:ウィスリングストレイツ (ウィスコンシン州)
2010年度最後のメジャー競技となる第92回「全米プロゴルフ選手権」(PGA チャンピオンシップ)は、8月12日(木)から15日の4日間、アメリカ中北部ウィスコンシン州にあるウィスリング・ストレイツ(ストレイツコース)で開催される。1998年に開場となったこのコースは、名匠ピート・ダイ氏の設計。ミシガン湖の畔に広がるコースは、英国のリンクスを思わせるようなアンジュレーションやバンカーがうまく配置されている。今大会は7507ヤード、パー72設定。 500ヤードを越えるパー4が3ホールもあり、難しい設定になると予想される。
2004年に全米プロがこのコース開かれたときは、3人のプレーオフで勝者が決まった。72ホール終了時、通算8アンダーでビジェイ・シン、クリス・ディマルコ、ジャスティン・レナードの3人が並んだ。3ホールのプレーオフの末、通算1アンダーで回ったビジェイ・シンが1998年に続いて 2度目の全米プロタイトルを獲得した。
【歴史】
全米プロゴルフ協会(PGA・オブ・アメリカ)が主催、運営をするこの大会は、1916年10月に32名のマッチプレー競技としてスタート。1957年まではマッチプレー競技形式で行われ、この時代の歴代チャンピオンにはウォルター・ヘーゲン(5回)、ジーン・サラゼン(3回)、サム・スニード(3回)、バイロン・ネルソン(2回)、ベン・ホーガン(2回)など偉大な選手の名前が優勝トロフィに刻まれている。
1958年に72ホールのストロークプレーになってからは ジャック・ニクラスが5度制覇。 他にリー・トレビノやゲーリー・プレーヤー、レイ・フロイドやニック・プライス、ラリー・ネルソン、ビジェイ・シンなどの殿堂入りをした選手が2回全米プロのタイトルを奪取している。トム・ワトソンは1978年のプレーオフ敗退の2位が最高順位。この全米プロを獲る事ができなかったワトソンは、グランドスラムを達成することができなかった。
1996年秋にプロに転向したタイガー・ウッズは、1997年からこの全米プロに出場。4回「ワナメーカー」優勝トロフィを掲げている。1999年、2000年に連覇、2006年、2007年2度目の連覇、2002年と2009年は2位フィニッシュとなっている。日本人選手で最高順位は中嶋常幸の3位(1998年大会)。片山晋呉も2001年に4位タイフィッシュ。昨年、最年少選手として初挑戦した石川遼は56位タイという結果を残している。
【出場資格】
・歴代全米プロ優勝者
・過去5年間のマスターズ、全米オープン、全英オープンの優勝者
・2010年の全米シニアプロ選手権優勝者
・前年2009年の全米プロ選手権上位15位タイ
・2010年 PGA・PNCナショナルチャンピオンシップ(クラブプロ)上位15名
・2009年WGCブリヂストン招待から2010年グリーンブライヤークラシックまでの特別ポイントリスト上位70名
・2008年ライダーカップ出場メンバー(欧州、米国)、(8月2日の世界ランク100以内条件)
・2009年WGCブリヂストン招待から2010年グリーンブライヤークラシックまでのUSPGAツアー優勝者
・全米プロゴルフ協会が承認する招待選手
【予選通過】
156人の出場選手は36ホール競技終了時に上位70位タイまでが予選通過となる。
【豆記録】
(1) 72ホールでスコアが並び決着がつかない場合は、3ホールでストロークを争うプレーオフとなる。使用ホールは10番、17番、18番ホール。3ホール終了時もスコアが同じ場合はサドンデス方式のプレーオフとなる(その場合は10番、17番、18番、10番、17番、18番・・・の繰り返し)。
1958年に72ホールのストロークプレーになってからは、10大会でプレーオフで決着をつけているが、この3ホール合計ストローク制度になったのは2000年以降。2000年はタイガー・ウッズが2度目のタイトルを奪取している。
(2)アメリカ以外の優勝者
これまで開催された91回でアメリカ国籍以外の12選手が16回全米プロを制している。ここ近年は2009年の Y.E.ヤン、2008年のパドレイグ・ハリントン、1998年、2004年のビジェイ・シン。
(3)グランドスラムへの道のり
今年出場する選手の中で、既に2つの異なるメジャータイトル保持者、かつ全米プロのタイトルを獲っていないのはアーニー・エルス(全米オープン、全英オープン)とアンヘル・カブレラ(マスターズ、全米プロ)。