2022/05/16GDOEYE

ゴルフも「一生懸命」 深堀圭一郎は俳優・渡辺裕之さんをしのぶ

◇国内男子◇アジアパシフィックダイヤモンドカップ 最終日(15日)◇大洗GC(茨城)◇7163yd(パー70) 悲報はゴルフコースで受けた。今月3日、俳優の渡辺裕之さんの突然の他界は、多くのプロゴルファーをも動揺させた。「信じられない、信じたくなかった」と言うのはベテランの深堀圭一郎。関係者からの連絡で言葉を失った。 深堀と渡辺さんは2009年4月から8年以上にわたってテレビ番組で共演した仲だった。テレビ東京系列の「ゴルフの真髄 ARTISTIC GOLF」は、毎回数多くの男女トッププロを招いて対決した人気番組。17年9月に惜しまれながら終了した。 番組が終わっても親交は途絶えず、昨年7月に深...
2022/05/24GDOEYE

「経験できずに終わるプロも、きっといる」 25歳アマの貴重な最終日最終組

◇国内男子◇ゴルフパートナーPRO-AM トーナメント 最終日(22日)◇取手国際GC(茨城県)◇東コース6804yd(パー70) たった1組の違いで、緊張感も威圧感も何十倍もふくれあがった。アマチュアの中村鎌大(なかむら・けんた)さんが、予選会を勝ち上がって本大会に出場するのはこれが2度目。昨年の最終日は最終組の1組前で回り、今年は今平周吾、大槻智春と最終組でプレーした。 「バックナインまでお客さんがついて歩く。見られるのも緊張しましたし、プロに迷惑をかけないようにとプレッシャーもありました」と、優勝争いに組み込まれた朝イチのティショットは、緊張のあまり左の林に飛んで行った。 イーブンパーか...
2022/11/13GDOEYE

道半ばのスイング改造 石川遼の苦悩の行方は

◇国内男子◇三井住友VISA太平洋マスターズ 最終日(13日)◇太平洋クラブ御殿場コース(静岡)◇7262yd(パー70) 「ホントはあまり言いたくないんですけど…。」。もう2年半前になる。2020年2月、フロリダ州での米ツアー「ホンダクラシック」の予選ラウンドを終え、石川遼は何かを悟ったように表情を失っていた。「…今の自分のスイングでは厳しいね、PGAツアーは。自分がそう思っている限りはムリだと思う」 2017年秋、かつての主戦場だった米国のシードを失って日本ツアーに復帰。19年に年間3勝を挙げ、翌年に推薦出場のチャンスをもらった大会は、通算13オーバーの大たたきで予選落ちした。打ち砕かれた...
2022/08/18GDOEYE

「保障がない仕事」息子のプロデビュー戦に丸山茂樹は複雑な心境

◇国内男子◇長嶋茂雄招待セガサミーカップ 事前(17日)◇ザ・ノースカントリーゴルフクラブ(北海道)◇7178yd(パー72) 丸山茂樹が「12年お世話になっている」というセガサミーホールディングスの主催大会で、今年6月に大学を卒業したばかりの長男、丸山奨王(ショーン)がプロデビューを果たす。そんな息子の晴れ舞台に、米PGAツアーで3勝、日本ツアー10勝を挙げた父親は複雑な心境を抱えていた。 推薦枠で本戦から臨めることになり、「最初、本人は『嫌です』って。親の七光りで、アマチュアの時だったらいいですけど、プロとなるとそういうわけにはいかない」と難色を示してはいた。それでも自らが地上波でテレビ解...
2022/12/10GDOEYE

網膜剥離にも負けん “苦労人”西岡宏晃「邪魔だけはせんように」

◇国内男子◇ファイナルQT 最終日(9日)◇トム・ワトソンGC(宮崎)◇6984yd(パー72) 「何が良かったのか分からん。ガツガツせず、大体でいいってのが、うまいこといったのか。ちょっとでも恩返しできたんじゃないかな」 43歳の西岡宏晃にとって5年ぶりの予選会は通算5アンダー21位。この日は「74」と今週初めてのオーバーパーだったが、「1ピンのパーパットが全部入った。ハハハ」と豪快に笑った。 香川県出身で父親の影響でゴルフを始めた。地元の中学を卒業後、「悪かったんで」と高校には進学しなかった。しかし、21歳で研修生となり、28歳でプロに転向。ただ、レギュラーツアーの戦績は予選落ちした200...
2022/07/04GDOEYE

アマチュアゴルファーも参考になる? 女子プロが実践した酷暑対策

◇国内女子◇資生堂レディスオープン 最終日(3日)◇戸塚CC(神奈川県)◇6570yd(パー72) 気象庁が観測史上最も早い関東地方の梅雨明けを発表したのは6月27日。すでに続いていた猛暑は大会をもろに直撃した。初日から気温33.9度を記録するなど連日30度超え。そんななか、女子プロたちはどんな酷暑対策を実践していたのか。 優勝した青木瀬令奈は、館林市や伊勢崎市など暑さで有名な市が多い群馬県の出身。「暑さには強いとは思う。クラっとしたり、熱中症になったことはない」と、タフなコンディションの中でもその強さを発揮して4日間を戦い抜いた。冷感の長袖インナーシャツなどを着用、肌の露出を避けている印象が...
2022/03/14GDOEYE

「競技映像中心で」 GOLFTVとDAZNで目指す新しい視聴習慣

◇国内女子◇明治安田生命レディス ヨコハマタイヤ 最終日(13日)◇土佐CC(高知)◇6228yd(パー72) 今季から国内女子ツアーの試合が動画配信サービスの「DAZN」と「GOLFTV」でライブ配信されている。録画が中心のテレビ放送だけでは満足できなかったコアなゴルフファンにとっては、ライブで長時間観戦できるということもあり、新しい楽しみ方が加わった。 DAZNの料金は月額3000円でサッカーやプロ野球、テニス、モータースポーツなど他競技も幅広くカバーしている。 一方、GOLFTVは月額1000円。松山英樹が活躍する米男子PGAツアーや、渋野日向子や畑岡奈紗らが主戦場とする米女子ツアーも楽...
2022/03/17GDOEYE

早咲きの桜に込められた思い 大山亜由美さん25年の生涯

「最悪だった。何が何でもこの子を助けようと思った。『なんとか命だけは』と思ったが、それができなかった」 女子プロゴルファーの大山亜由美さんに、がんが見つかったのは2018年4月だった。突然の報せに父・文明さん(61歳)も頭を抱えるしかなかった。 同年3月に国内女子ツアー「Tポイントレディス」に出場し、5月の海外メジャー「全英女子」の予選に備えて調整していたが、意識を失った。病院での精密検査でステージ4のがんと判明。完治の可能性は数%もなかった。 広島と地元・鹿児島の病院で入退院を繰り返した。がんは全身の骨に転移しており、放射線治療と抗がん剤治療を施した。 「絶対に治すと言っていましたが、体...
2021/03/11GDOEYE

原発事故とゴルフ場 向き合った風評とイノシシ

福島・いわき「バイロンネルソンCC」齋藤さんの10年 東京電力福島第一原発事故は、被災地のゴルフ場の光景も一変させた。風評被害の影響は大きく、閉鎖に追い込まれたところもある。そんな中、同原発から約50kmに位置する福島県いわき市の「バイロンネルソンカントリークラブ」は風評の払しょくに努め、「なくなったゴルフ場の思いも背負って」いまも営業を続けている。東日本大震災の発生から10年を前にした10日、齋藤貴之支配人を現地に訪ねた。 プレー続ける客に「拍子抜け」 2011年3月11日午後2時46分、当時39歳の齋藤さんは用事でゴルフ場を離れ、いわき市内の別の場所にいた。大きな揺れを感じた後、妻と3...
2019/11/16GDOEYE

キャッシュレス化の波はどこまで? 日本のプロゴルファーの現状

◇国内男子◇三井住友VISA太平洋マスターズ 3日目(16日)◇太平洋クラブ御殿場コース(静岡)◇7262yd(パー70) 日本でプロツアーに出場するゴルファーは、各試合でエントリーフィーなるものを支払っている。日本ゴルフツアー機構(JGTO)の主管・主催大会では、出場登録(レジスト)時に会場で1万1000円(税込み)を納めるのがルール。これまでは現金払いが貫かれてきたが、今週はクレジットカードによるキャッシュレス決済が選手に初めて許可された。 大会を主催する三井住友カードの協力を得て、タブレット端末で決済した。深堀圭一郎と同社担当者による発案。84人の出場者のうち20人がこのシステムを利用し...
2019/11/19GDOEYE

貫いたリズムとプラン 新たなアマ王者・金谷拓実の強み

◇国内男子◇三井住友VISA太平洋マスターズ 最終日(17日)◇太平洋クラブ御殿場コース(静岡)◇7262yd(パー70) 霊峰富士を背にする名物ホールに冷たい風がなびく。プレーを終えた17番(パー3)のグリーンサイドは、ほんの一時、静まり返った。その場の多くの人が、歴史的な瞬間を待つ緊張感に身を浸す。ショーン・ノリス(南アフリカ)のボギーで、72ホール目を前にアマチュアが再びトップに並んだ。 ティイングエリアに向かう木陰で、金谷拓実(東北福祉大3年)はゴルフ部の阿部靖彦監督と目を合わせ、静かにうなずいた。初めてツアーでキャディに起用された同級生・竹川雄喜(ゆうき)は終始、「落ち着かせようとし...
2019/10/29GDOEYE

大興奮だった「ZOZOチャンピオンシップ」~ギャラリー徒然の変化

◇日米ツアー共催◇ZOZOチャンピオンシップ 最終日(28日)◇アコーディア・ゴルフ習志野カントリークラブ◇7041yd(パー70) 逃げるタイガー・ウッズに日本のエース・松山英樹が追いすがる優勝争いで盛り上がった日本初開催のPGAツアー「ZOZOチャンピオンシップ」。決着が持ち越された28日(月)にも2563人の観客が訪れ、荒天の影響で無観客だった2日間を含め、22日(火)からの一週間で計5万4840人が習志野CCへと足を運んだ。大会を終え、現地で取材中に聞こえてきた声をノートから拾い集めてみた。 「ボールが空から落ちてきたんだ」とロープ外に飛んできたボールをめぐる経緯を、なぜか嬉しそうに教...
2019/10/18GDOEYE

古賀GCの激しい傾斜 藤田寛之のコースメモは「ぐちゃぐちゃに」

◇国内男子メジャー第3戦◇日本オープンゴルフ選手権競技 初日(17日)◇古賀ゴルフ・クラブ(福岡)◇6817yd(パー71) 25年以上のプロのキャリアがある藤田寛之も、今週ばかりは事前準備から普段以上に念入りにグリーンをチェックした。手元のコースメモには無数に矢印が書き込まれている。画像は右奥のエリアを頂点にして、四方に激しく下っている18番グリーンの図。「ボールが止まるところが、“グリーンの外”だってことが分かるでしょう?(笑)」 6月に50歳になった藤田にとって、今大会はふるさとでの開催。実家は古賀ゴルフ・クラブから車で15分あまりのところにあるが、当地は九州有数の名門クラブ。若い頃から...
2019/12/04GDOEYE

鈴木愛と渋野日向子 長時間練習を支える共通のキーワード

日が傾きかけた宮崎CCの練習グリーン。鈴木愛は今年も最後の一人になった。耳にイヤホンをつけ、納得するまで終わらない。寒空の下、練習グリーンを独占する姿は毎年目にする光景だが、今年は少し違った。鈴木が家族と関係者だけが残るクラブハウスに引き揚げる数分前まで渋野日向子もパター練習をしていた。 2人に会話はなかった。周囲の雑音を遮断するように集中する鈴木。陣営と話しながらスイッチを切り替える渋野。対照的な2人をオレンジ色の夕日が映し出す。ツアー会場で、この2人ほど練習する選手は見当たらない。練習は裏切らない。鈴木が賞金女王に輝き、渋野が2位という結果が示したといえる。果たして2人の練習量を支えるもの...
2019/08/14GDOEYE

大雨でもドリル貫徹 渋野日向子の反復練習に見る強さの秘訣

◇国内女子◇NEC軽井沢72ゴルフトーナメント 事前(14日)◇軽井沢72ゴルフ北コース(長野県)◇6705yd(パー72) ポツリポツリと降り出した雨が、突然激しさを増した。大粒の雨が降ったのはちょうど昼時。練習グリーンにいた選手や関係者はそそくさとクラブハウスへ引き揚げた。そんな中、キャディが差した傘の下で一人、パッティング練習を続ける渋野日向子の姿を追う10人ほどのカメラマンが一斉にシャッターを切った。 渋野には2年ほど前から行うパッティングのドリルがある。課題とするグリーン上を克服しようと青木翔コーチと始めた。1m、1.5m、3mといった具合にカップに対して徐々に距離を伸ばしながら...
2019/08/26GDOEYE

最年少賞金王から10年 石川遼の異なる“輝き”

◇国内男子◇長嶋茂雄招待セガサミーカップ 最終日(25日)◇ザ・ノースカントリーゴルフクラブ(北海道)◇7178yd(パー72) 石川遼が3シーズンぶりの優勝を飾った「日本プロ選手権」から1カ月半。初めて2大会連続でタイトルを手にし、最終組で大ギャラリーの歓声に包まれる姿は、常勝を誇ったころを彷彿させるものだった。4打差をつけての完勝だけではない。賞金ランキングでも8年ぶりにトップに立ち、再びツアーの中心に戻ってきたことを鮮明に印象づけた。 10年前もうまかった シーズン複数回優勝は2015年以来で、4季ぶり。これから秋にかけては石川の歴代優勝大会が続く。自己最多の年間4勝を挙げてツアー史上...
2019/09/07GDOEYE

歴代ワースト2位の「100」 19歳のほろ苦デビュー戦

◇国内男子◇フジサンケイクラシック 2日目(6日)◇富士桜カントリー倶楽部(山梨県)◇7566yd(パー71) 昨年8月の「フジサンケイジュニアゴルフ選手権」で優勝し、本大会の出場権を得て予選2日間を戦い抜いたアマチュアの澤田響(さわだ・ひびき、東京国際大1年)。初日に6番(パー5)で12打をたたくなど「100」を記録し、不本意な形で注目を浴びることになった。 2日目は「86」 記録が残る1985年以降では、鈴木規夫のスコア誤記による「122」(87年「東海クラシック」第2ラウンド)を除けば、2014年「東建ホームメイトカップ」初日に当時42歳のプロ大津将史がたたいた「101」に次ぐ、ツアー...
2019/10/20GDOEYE

ハワイで知った「道具に頼る」 金谷拓実の“伸びしろ”は

◇国内男子メジャー第3戦◇日本オープンゴルフ選手権競技 3日目(19日)◇古賀ゴルフ・クラブ(福岡)◇6817yd(パー71) 「日本オープン」のローアマチュア賞は、1980年代前後に活躍した阪田哲男が最多の通算4回を獲得した。金谷拓実(東北福祉大3年)は2018年大会までに、戦前の赤星六郎、鍋島直泰と並ぶ3回。“先輩”たちがいずれも生涯アマチュアを貫いたのに対し、21歳は近い将来、プロに転向するつもりでいるというわけで、そのスゴさが際立つ。 5回目の出場となる今年は世界アマランク1位の称号を背負って、大会に乗り込んだ。前日未消化だった第2ラウンドを戦ったこの日午前は、予選落ちの危機にあった。...
2019/10/12GDOEYE

携帯電話の明かりを頼りに 渋野日向子の強さの証し

◇国内女子◇スタンレーレディスゴルフトーナメント◇東名CC(静岡)◇6572yd(パー72) 夕闇が迫り、カップやボールは見えにくい。携帯電話の明かりを頼りに渋野日向子はパット練習を終えた。「スタンレーレディス」開幕2日前に撮った一枚だ。出場選手全員が参加した夕方のミーティングの後、日課のパット練習の開始は遅かった。キャディと、隣で練習していた野澤真央が協力して2台の携帯電話で明かりを照らした。 3年前に始めたパットのドリルは、徐々に距離を伸ばしていく9本中、7本を入れるというもの。3本外すとリセットされ、最初からやり直しだ。これを完了した後、3本連続で入れられると終了になる。青木翔コーチは以...
2019/10/12GDOEYE

袖ヶ浦カンツリークラブのご神木

◇国内男子◇ブリヂストンオープン 3日目(12日)◇袖ヶ浦カンツリークラブ 袖ヶ浦コース (千葉)◇7119yd(パー71) 1974年から「ブリヂストンオープン」の会場となっている千葉県の袖ヶ浦カンツリークラブ 袖ヶ浦コースには、名物のご神木がある。16番(パー5)、左ドッグレッグの曲がり角、左サイドの林にそびえる、しめ縄が飾られた3本の杉の木は長らくコースのシンボルだ。 コースは1960年に開場したが、いつから神木として祀られるようになったかは不明である。クラブのコース管理部長・グリーンキーパーの伊藤哲也さんが入社した34年前にはすでに、この習わしがあったという。 実際の神主の見立てでは...