ミズノのバンで「S-3」「T-1」を発見 米ツアー選手が気に入ったポイントは?
◇米国男子◇AT&Tペブルビーチプロアマ◇ペブルビーチGL(6972yd)、スパイグラスヒルGC(7041yd、いずれもカリフォルニア州、パー72)
平田憲聖や杉浦悠太ら契約選手がことしから使い始めて話題のミズノ「S-3」アイアン。米国ではすでに「Mizuno Pro S-3」として販売されていて、PGAツアーでも契約選手が軒並み実戦投入している。今週、バッグに入れていたベン・グリフィンに話を聞くと、既に開幕戦「ザ・セントリー」から使っているという。
「11月ぐらいからテストを重ねてきたけど、すごく気に入っているよ。何より簡単に打てて、すごくフォーギブネス(寛容性)を感じる」。元々マッスルバックの「ミズノプロ241」を使っていたが、今回はキャビティモデルの「S-3」にスイッチした。打感や顔の良さを残しつつ、やさしさが加わったことが決め手になったようだ。グリフィンはソールの進化にも驚いていた。「リーディングエッジが変わって、抜けがめちゃくちゃ良くなったんだ。だから安心して打てるよ」
ミズノのツアーレップによれば、「S-3」のソールは「トリプルカットソール」という新技術。リーディングエッジからトレーリングエッジにかけての3段階ソールで、芝への入りと抜けの良さを追求しているそうだ。ツアープロがこれだけ早くスイッチする理由の一端が、そこにもあるのだろう。
ツアーバンには「S-3」のほかに新ウェッジ「T-1」もあった。ウェッジの進化はどこにあるのだろう?ツアーレップいわく「前作に比べてリーディングエッジの丸みがちょっととれたんだ。よりストレートに近くなり、選手は構えやすくなったと思う」とのこと。さらに大きな変化は「重心の位置が変わったこと」だとか。「トウ側を重くして重心の位置をヒール寄りから少しトウ側に寄せた。これは以前から契約選手と話をしていて、多くのプロが望んでいたことなんだ」
この重心の変更に、契約選手のキース・ミッチェルが飛びついた。46度、51度、56度の3本をT-1にスイッチ。「重心の移動はほんと1ミリとかそれぐらいわずかな差なんだけど、キースはすぐに変化を感じ取ったよ。トウ寄りに重心が変わったことで、『コンタクトが良くなった。思った箇所で打った時に、打った感触と出ていくボールが一致する』と言ってすぐ替えてくれた。製品が良くならないと替えない男だからね。今回はうまくいったよ」。ちなみにT-1ウェッジもS-3アイアンと同じトリプルカットソールを採用していて、さらにソールの種類はS、M、P、C、V、 Xの6つがある。
S-3、T-1ともに日本での発売情報はまだないが、おそらく近いうちに発表があるはず。もうしばしの辛抱を。(カリフォルニア州ペブルビーチ/服部謙二郎)