新パターと2017年への回帰 トーマスのパットV字回復はなぜ起きた
◇メジャー第2戦◇全米プロゴルフ選手権 事前(14日)◇クエイルホロークラブ(ノースカロライナ州)◇7626yd(パー71)
2017年、ジャスティン・トーマスは「全米プロゴルフ選手権」を含む5勝を挙げた。今年、トーマスは時計の針を巻き戻すかのような成績を収めている。最たる要因はずばり、パッティングだ。
今季はここまで11試合に出場し、トップ10が6回(うち2位が3回)。4月「RBCヘリテージ」では、2022年「全米プロ―」以来のツアー通算16勝目を飾った。昨季174位まで沈んだストロークゲインド:パッティング(スコアに対するパッティングの貢献度)は現時点で20位まで上昇。これは16-17年(43位)、17-18年(47位)以来最高のパフォーマンスで、まさにV字回復といったところだ。
3年ぶりの復活優勝を遂げたあと、トーマスは「僕は最もパットが好調だった2017-18年シーズンにやっていたことを何一つしていなかったんだ。ザンダー・シャウフェレからの質問で、自分があまりに多くのことをやろうとしていることに気づいた。自分の得意なことを続け、変えないのはものすごく重要なスキル。今はそういうやり方でやっているんだ。自分には基礎があって、やること、チェックポイントを守っているんだよ」と話した。
一貫した練習とルーティンを繰り返し続けること。一方、頼れるパターを見つけたこともトーマスの助けになったようだ。
近年、トーマスは幾種類のパターをテストしてきた。しかし、今季はマレット型のスコッティキャメロン T5.5プロトタイプパターを使い続けている。
スコッティキャメロンのツアーレップであるドリュー・ペイジ氏は言う。「ちょうどトーマスがザンダーと話したころ、彼に合ったシャフト軸を作ることになった。このシャフトは低めのシングルベンドになっていて、トーマスの両手と目線の収まる場所が最も快適な位置になる」
スコッティキャメロンの公式YouTubeチャンネルの動画で、トーマスは新パターの奏でる打音と、ホーゼルフィッティングの重要性について触れている。
「ヘッドの見た目は僕にとっては馴染みのあるものだ。でもネックによって、どういうわけかストロークも変わるんだ。その理由は僕にも分からないんだけど。両手の位置は意識しなくても、然るべき場所に収まらなくてはならない。僕にとっては音も常に重要なもの。それらによる変化は驚くべきものだったね」
15日(木)開幕の今季メジャー第2戦「全米プロゴルフ選手権」を前に、トーマスは新パターに小さな変更を加えた。それまで使っていたスーパーストローク ピストルツアー“JT”グリップを、開封したての新品と交換したのだ。直前の変更は、大会を制した2017年にも行っていた。
パッティングは総じて17年当時に限りなく近い。22年以来の大会3勝目へ、トーマスが三度目のワナメーカートロフィーに照準を合わせている。
(協力/ GolfWRX, PGATOUR.com)