その昔、故郷でのトーナメントに出場することが、ザック・ジョンソンに重荷となっていたことがあったとは、にわかに信じ難い話だ。

今大会の開催地からほど近いアイオワ州シーダーラピッズ出身で、米国ツアー通算9勝を誇るジョンソンは、今週の大会で連覇を狙っている。初日を7アンダーの「65」でラウンドすると、カミロ・ビジェガス（コロンビア）と並んでトップに立ち、「ジョンディアクラシック」のタイトル防衛に向けて早々とリードを奪った。

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これでジョンソンは、TPC ディア ランで17ラウンド連続の60台を記録したこととなった。地元出身の彼は、過去4年間で2位タイ、21位タイ、3位タイ、そして昨年の優勝と、この大会と相性が良い。

しかし2002年から2008年の7年間、この大会でのジョンソンの最高順位は20位タイだった。しかも予選落ちを3度も味わった。家族、友人、そして多くのアイオワファンが見守る中でのプレーが、彼にとっては逆効果なのか、とまで囁かれた。

「ここに来るといつも気持が和むんだ。例えどんな成績であってもね」と、ジョンソン。同時に彼は、周囲から寄せられる“期待”と上手に向かい合う方法を学んだことを認めた。自分への期待も、他の選手への期待も含めて。選手代表として、大会の役員も務めていた彼にとって、期待値をマネージすることは休みない作業だった。

「今はとても自然体でいられるんだ」と、ジョンソンは語った。「この地でプレーすることに慣れたので、今はとても楽になった」。「周りの状況に慣れると、自分も周囲も楽に（良く）なる。ここ3、4年、僕のスケジュールはずっと同じ。同じ所に泊まり、いつも家族と一緒に過ごせる。（「ジョンディアクラシック」の）スタッフ達は、私がゲームに集中できるよう、素晴らしい取り計らいをしてくれますからね」。

ジョンソンは木曜午前のペアリングにも恵まれた。親友であり、ジョージア州シーアイランド出身のご近所ゴルファーのデイビス・ラブIII（南アフリカ）。同じくアメリカ中西部出身で「ライダーカップ」と「プレジデンツカップ」のチームメートであり、昨年はジョンソン自身がジョンディアクラシックの大会4連覇を阻んだスティーブ・ストリッカーと一緒に、快適にラウンドを回った。

ジョンソンは、ストリッカーが成し遂げたTPC ディア ランでの連勝が、彼の最も新しい挑戦（故郷の近くで連続優勝を達成すること）になっていると明かした。

「この大会で2連勝できたら本望です。ましてや3年連続なんてね」。7ヶ月という短いスパンの間に、バレロテキサスオープンのトロフィーを2度も勝ち取った経験を含め、ツアー通算9勝のキャリアを誇るジョンソンは語った。「（ツアーで連続優勝するのは）簡単なことではないよ」。

「昨年の失敗や、先週のミスから何かを学び、今週ポジティブにプレー出来れば、それは幸せなこと。僕らは常に『今』に集中しなければならない。だからこそ、スティーブがした大会3連覇は、本当にすごいことだと思うよ。更に上には上がいて、タイガー・ウッズがここ何年かの間に達成してきた数々の出来事、いくつもの大会で数え切れないほど優勝し、またそれらを防衛した（連続優勝した）事実は、凄いなんてレベルの話ではないからね」。

ここ1年の成績はさほど優れず、トップ10に入ったのは、大会連覇に挑んだコロニアルでの「クラウンプラザインビテーショナル」のみというジョンソン。彼は今週、ホームタウン・アドバンテージを味方につけながら、日曜日のフィニッシュラインまでたどり着きたいと願っている。

ではもし、結果が伴わなかった時は？

「それでも構わないと思っているよ。もうこの場所で1勝しているしね」と、ジョンソン。「実はここで優勝する前から、こんな風に考えるようになったんだ。「85」を叩こうと「60」で回ろうと、家族や友人がいて、応援してくれる事実は変わりないってね。大切なのは（ゴルフという日々の）ゲームの結果であって、今プレーしている自分が、そのどの辺りにいるのかってこと。こんな風に思えるようになった事を、私は心からありがたく思っているよ」。