2026年 テキサスチルドレンズヒューストンオープン

家族に宛てた“遺言”、PTSD公表… ウッドランド復活優勝までの壮絶な日々

2026年 テキサスチルドレンズヒューストンオープン 4日目 ゲーリー・ウッドランド
ウッドランドが流した涙の意味(Jordan Bank/Getty Images)

◇米国男子◇テキサスチルドレンズ ヒューストンオープン 最終日(29日)◇メモリアルパークGC(テキサス州)◇7475yd(パー70)

優勝を決めた瞬間、こみ上げる思いを抑えきれなかった。ゲーリー・ウッドランドは1.5mのウイニングパットを沈めるとグリーン上で涙を流し、駆け寄った妻と抱き合った。会場は大歓声に包まれた。2019年のメジャー「全米オープン」以来7年ぶりの優勝…。その道のりはあまりにも壮絶で険しいものだった。

「苦しい時間だった」。2023年8月に脳腫瘍と診断され、翌月に摘出手術を受けた。全身麻酔の直前には家族に『もう戻ってこられないかもしれない』と“遺言”を残したという。ウッドランドはのちにこの執筆について、「どんなプレッシャーのかかるショットやメジャー大会の瞬間よりもつらい経験だった」と語った。

手術は成功し、24年にツアー復帰を果たした。しかし、病み上がりの身体では苦戦が続き、26試合中11試合で予選落ち。25年も結果は出ず、「最初の4週間はかなり暗い状態だった」と今季も開幕から6試合で4回の予選落ちを喫した。

転機となったのは2週間前。米ゴルフチャンネルのインタビューで、心的外傷後ストレス障害(PTSD)であると公表した。「問題を公表してから少し自信が戻ってきた」。曇りなき心で自分のゴルフと向き合えるようになった。

前週「バルスパー選手権」で今季初のトップ20入り。そして迎えた今大会、かつての強さが戻った。2日目に「63」で単独首位に立つと、3日目も首位をキープ。「金曜日は不安な状態になった」としながら、弱さをさらけ出した自分を支える周囲の思いを力に変えた。最終日は4バーディ、1ボギー「67」で回り、後続に5打差をつける快勝だった。

苦節7年でつかんだ勝利を「夢を追えることが幸せ。人生は大変だけど、みんな何かと戦っている。自分は『この問題に負けない』と決めていた。今日の勝利はその証しです」とかみ締めた。41歳の姿はゴルフの枠を超え、多くの人に勇気を与える勝利になったはずだ。

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