ミスパット「2回ぐらい」でもグリーンに泣く 松山英樹の試練の金曜日
◇米国男子◇トゥルーイスト選手権 2日目(9日)◇ザ・フィラデルフィア・クリケットクラブ (ペンシルベニア州)◇7119yd(パー70)
カップに蹴られた1.5mのパーパットがスタンドのため息を誘った。冷たい雨と強い向かい風を浴びた最終18番、松山英樹が左ラフからの2打目に残した距離は254yd。3Wで正確に打ち出して花道に運びながら喫した3パットボギーが痛い。「良い形で終わることができるかなと思ったんですけど…。最後はミスパットだった」。直前の17番から2連続ボギーフィニッシュで「72」。11位から通算3アンダーの33位に後退して週末を迎える。
ストロークに失敗したパットはこの日、18番の3打目を含めて「2回ぐらい」だけだったという。良い感触に反してグリーンで苦しみ続けた一日。前半3番(パー3)で4m、4番で2.5mと序盤からバーディトライが実らない。唯一のバーディになった6番、フェアウェバンカーから作った1.2mのチャンスを決めた以外はことごとく外した。
ショットについては「きのうの最初よりは少しずつ良くなっている」との言葉通り、前半アウトは全ホールでバーディパットを打った。右ラフからの2打目をバンカーに入れ、初めてパーオンに失敗した10番で2m強のパーパットを沈められない悪い流れ。「ボール一筋ラインを外れたり、読みがちょっと合わなかった。グリーンのスピードが遅くなった分、(カップの)手前で切れたり、読みすぎたりしてアジャストできなかった」と唇をかむ。
気温は15℃前後に落ち込み、後半は雨が勢いを増した。松山がプレーしていない他のホールでは、一時的に水が浮くグリーンも。「(松山は)途中まではあまり気にならなかったけれど、(ショットが)少し飛んでいないので、余計にしんどい感じはありました」
ボールが転がらず体感距離が長くなったコースで、パッティングも助けにならなければ停滞は必至。第2ラウンドのストローク・ゲインド・パッティングは出場72人中71番目の「-3.567」。「これだけ入らないと、(逆に)ミスパットは入るものだと思っていたんですけど、きょうは全部入らなかった。ちょっと苦しかったですね」と内容よりも結果を嘆いた。
予選カットのない4日間大会を折り返し、首位との差は9打にひらいた。「60台前半を2回続けないと、上位には行けないと思う」とリーダーボードを眺める。今季は優勝した開幕戦「ザ・セントリー」を除いて、まだトップ10がない。「厳しいですけど、しっかりと良い状態でプレーできるように頑張りたい」。あすからの週末は天候が回復する見込み。地面がまだソフトな18ホールでロースコアを連発したい。(ペンシルベニア州フロータウン/桂川洋一)
