金谷拓実が立つ2度目の舞台

◇メジャー第1戦◇マスターズ 事前情報(4日)◇オーガスタナショナルGC（ジョージア州）◇7510yd（パー72）

クラブハウス前のオークツリーの下、金谷拓実のインタビューが始まったその時、場内は大歓声に包まれた。目の前の1番ティから練習ラウンドを開始したのはタイガー・ウッズ。「えー、まあ…なんでしたっけ？」。光景に目を奪われ、報道陣の質問を忘れてしまったのも無理はない。

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「アジアパシフィックアマ」王者として初出場したのが2019年。予選ラウンドを当落線上で通過し、58位の成績を残した。当時20歳。その大会で優勝したのがウッズであり、ローアマに輝いたのが現在、世界ランク4位のビクトル・ホブラン（ノルウェー）だった。

プロになって実質2年経たない間にオーガスタに戻ってきたが、3年分の歩みを、例えばそのホブランと比べてみれば満足できない。「帰ってこられて良かったと思うけれど、やっぱりここで良いプレーをしたい。この試合だけじゃなく、こっちでのツアーカードもかかっているので、ひとつの試合として大事な試合になるのかなと僕は思います」

先輩の松山、後輩の中島と練習ラウンド

前週までテキサスで2連戦。次週「RBCヘリテージ」（サウスカロライナ州ハーバータウンGL）出場も決まっており、メジャー初戦にも注ぐ力の量は変わらない。

今大会前に2ホールの距離が伸びた。アーメンコーナーの11番は15yd伸びて520ydに。右サイドの木々が伐採され、グリーン右サイドの形状が変わった。「広く見えるようにはなっているのでティショットは打ちやすいけど、フェアウェイからの2打目は打ちづらい。そっちの難易度が上がっている」

オーガスタの地を踏みしめる

15番（パー5）は20ydティが下がり、550ydになった。前後が池に挟まれたグリーンへの2オン成功の確率が下がったと言える。「少し伸びた分、良いティショットを打てないと、グリーンの状態も良い（硬く、速い）ですし、レイアップしないといけない。（2打目で）近づきすぎてもダメだし、左足下がりで難しい。100ydくらい（3打目に）残さないと少し難しいかなと思う」と練習ラウンドを通じて対策を練っている。

開幕3日前は松山英樹、中島啓太とコースチェックをともにした。「松山さんがディフェンディングチャンピオンで、啓太くんはずっとアマチュアのときから一緒にプレーしてきた仲間。一緒に出られるのはうれしいですし、みんな頑張ります」。夢舞台でも金谷は決してブレない。（ジョージア州オーガスタ／桂川洋一）