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コービーの背番号「8」を継承するトニー・フィナウ

◇米国男子◇ウェイストマネジメント フェニックスオープン 最終日(2日)◇TPCスコッツデール(アリゾナ州)◇7261yd(パー71)

「こんな位置、みたことないぞ。いったいどうなっているんだ?」。最終日前夜、ウェブ・シンプソンは16番(パー3)のホールロケーションについて、キャディと首をひねっていた。手前24yd、左8yd。それは、一週間前に亡くなった元ロサンゼルス・レイカーズのコービー・ブライアント氏が現役時代につけていた2つの背番号「8」と「24」を表していて、PGAツアーは同ホールのピンフラッグにも「8」と「24」を縫い付けて、NBAのレジェンドを粋に追悼した。

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今週、ブライアント氏についてもっとも熱く語っていたのはトニー・フィナウだ。毎日、レイカーズの「8」をつけたジャージで16番をプレーした。わずか2週間前にスコッツデールに引っ越してきたというフィナウの自宅は、コースから車で5分のところにある。そんなことも相まって、大観衆の大半は「トニー・コール」でフィナウを後押しした。

しかし、フィナウは勝てなかった。1打リードで出た最終日は1つスコアを伸ばすにとどまって、シンプソンとのプレーオフで惜敗した。だが、負けたフィナウの表情は爽やかだった。「(正規の18番での)最初のパットは入ったと思ったけど、カップをすり抜けてしまった。(プレーオフ時の)2回目は最初のパットとラインが似ていて少し遠かったので、もう少し曲がりを読んだら、今度は曲がってくれなかった。ウェブを祝福したい」。

世界ランク12位につけるフィナウだが、ツアーではまだ1勝。これから、自分の力を世界に示していく必要がある。フィナウが選んだ「8」の背番号は、ブライアント氏がデビューから10シーズン付けていたものだ。ルーキーが自力で居場所を掴み取っていった時期に重なっている。

「今週は勝つチャンスがあったけど、残念ながら勝てなかった。それでも、自分のゲームはかつてないほど良い状態で、かつてないほど自信もある。知っての通り、自分はなにごとにも屈しない。これが2勝目に向けた障害であろうとなんであろうと、すぐに突破して自分の道を進むのさ」。不屈の“マンバメンタリティ”が、フィナウにも宿っていた。(アリゾナ州スコッツデール/今岡涼太)

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