山下美夢有の衝撃と吉田優利にもらった勇気 渋野日向子「ちゃんと認めて、現実と向き合って…」
◇米国女子◇FM選手権 事前(26日)◇TPCボストン(マサチューセッツ州)◇6533yd(パー72)
昨年初めてプレーしたTPCボストンについて、渋野日向子は「フェアウェイがもうちょっと転がっとったような気がします」と話す。記憶よりもソフトなコンディションは、グリーン上も同様。4日間で20アンダーを上回る伸ばし合いになっても驚かない。「おかしくはないですよね。先週も山下が23(アンダー)も出すから…」。かわいい後輩をあえてぶっきらぼうな呼び方をして笑う。
通過ラインに1打届かず予選落ちを喫した「CPKC女子オープン」の週末に抱いた思いはひと言では片づけられない。記録的スコアで後続に9打差をつける圧勝を飾った山下美夢有は、かねてリスペクトを抱く存在。「いかに自分のいい部分を生かしてゴルフができるかどうか」を突き詰め、小さな体で世界の頂点を争うレベルにいる。
腕が長いという身体的特徴を生かしつつ、再現性の高いスイングを構築できないか。山下に近い“論理”で自らのゴルフを高めようとすると、いまは試合中でも考えすぎてしまう自分がいる。過去2週間、特に左へのミスを警戒している印象がある1Wのシャフトを替えた。3週連続でギアに手を入れつつ、「(道具ではなく)自分のスイングの問題でもある。試合になると体重の位置とか、スイングのリズムが変わってきちゃう。もうちょっと、出球とかがマッチしてくると…」。軽いドローボールを求めての試行錯誤が続く。
技術だけではない。米ツアー参戦後は出場資格の確保に向けた戦いに注力せざるを得ないシーズンもあり、日々の予選カットラインはもちろん、さまざまな“線”を意識してのびのびプレーできていないことを自覚している。ずっとイヤな緊張感があり、踏ん張りどころで集中力を十分に研ぎ澄ませることができない。「自分はやっぱり“心”の部分もある。それをちゃんと認めて、現実と向き合って、超えなきゃいけない壁だと思っている」
悩める渋野にとって、カナダで米ツアー自己最高の2位に入った吉田優利のプレーには勇気づけられた。ダブルス戦を含めて6試合連続予選落ちから描いた上昇カーブ。同じマネジメント事務所で「本当にかわいい子。あれだけゴルフにストイックで、学ぶべきものがある。優利ちゃんの今回の結果は本当にうれしかったし、より頑張らなきゃとも思えた」。いろんな感情を、もらいっぱなしでは終われない。(マサチューセッツ州ノートン/亀山泰宏)