自己最高2位で変わるもの変わらないもの 吉田優利「上を向いて自分を鼓舞する方が…」
◇米国女子◇FM選手権 事前(25日)◇TPCボストン(マサチューセッツ州)◇6533yd(パー72)
前週「CPKC女子オープン」で米ツアー自己最高2位に入った吉田優利は、ホールアウトしてすぐに後ろの最終組で優勝を決めた山下美夢有を祝福した。「かけていい?」とチャンピオンの“許可”をしっかりもらったシャンパンシャワーの量が控えめだったのは、これから写真撮影や会見に向かう山下を気遣ってのこと。「顔にかけないことを意識して、少なめに、髪の毛だけにかけました。ビンの3分の1もかけずに終わりです」と笑った。
日本に帰れば東京で一緒に食事へ出かけるなど仲良しの後輩への優しさもにじませた“グッドルーザー”ぶりを発揮したが、2位に入ったことで自身の立ち位置も大きく変わった。年間ポイントレースは93位から46位までジャンプアップ。今大会終了時点のランクが出場優先順位となるアジアシリーズ4試合の切符を確保し、「次は最終戦に出たい」。ランク60位までが進める最終戦のエリートフィールド「CMEグループ ツアー選手権」(11月19日~/フロリダ州ティブロンGC)にターゲットを切り替えた。
「上を見ていくのも、下を見るのも、どっちもつらいですけど…」と言ったうえで、「上を向くときの自分への鼓舞の仕方は、下を見ているときよりも楽だと思うので」。米ツアー参戦後の3シーズンはボーダーラインを意識した戦いに注力することが多かった分、実感を込める。前日は午前6時にカナダ・エドモントンから飛び立ち、午後4時にボストンに着くハードな移動にもかかわらず、この日は精力的に朝から18ホールを回った。「きょうは“頑張ろうの日”です」。ゴルフが充実すれば、タフなスケジュールだって乗り切れる。
ただ、米ツアー初優勝への距離が一気に縮まったとは思っていないという。「(山下に)9打差つけられてますし…。ヘタだなと思います」と苦笑い。基本は安定したショットでチャンスの母数を増やし、ピンチが来てもショートゲームでしのぐ。カナダでは自らも王道的な戦いを体現できたことで、それをコンスタントに繰り出せる上位勢のレベルの高さをまざまざと感じる。
「やっぱりアメリカで戦っていく上で、ショットがある程度安定していないと上には行けないとずっと思っていた。日本にいたときは、わりと『ショットは50%でいい』と思っていたタイプだったので。(米ツアーに来て)ショットにかける時間も増えましたし、でも、それは自分にとって良くなかったことも少なくなかった。本当は(スタイルを)変えずに適応できるのが一番いいと思うんですけど、その期間は過ぎてしまった。私は変えて対応していくタイプだと改めて分かった。まだ伸びしろがあるし、まだゴルフがうまくなれると思います」
ここまで米ツアーでもがきながら、自分なりに探ってきた進化の方向性は間違っていなかったことを証明する2位。目線は上げて、それでも浮つくことなく信じた道を歩む。(マサチューセッツ州ノートン/亀山泰宏)