「ホントに泣きたかった」苦い記憶を塗り替える 畑岡奈紗は8年ぶり全英初出場の地へ
◇女子メジャー最終戦◇AIG女子オープン(全英女子) 事前(28日)◇ロイヤルリザム&セントアンズGC (イングランド)◇6601yd(パー71)
このイングランド・ロイヤルリザム&セントアンズGCで前回の全英女子が行われたのは2018年。今週出場する日本勢17人のうち、畑岡奈紗は唯一の経験者だ。しかし、ほとんどコースを覚えていないという。1番がパー3で始まるトリッキーなレイアウトも忘れていた。もともとゴルフに関する記憶力はしっかりしているタイプ。「たぶん、記憶から消し去ってましたね。あんまりいい思い出がなくて、ホントに泣きたかった。『もう、リンクスなんてやりたくない!』って言って終わった気がします」。それほど苦くてタフな初挑戦だった。
同年6月開催の「ウォルマート NW アーカンソー選手権」で日本勢として米ツアー最年少優勝を遂げたシーズン。勢いに乗る19歳は、わずかに状態を落として英国に乗り込んでいた。吹き荒れる強風、硬い地面、入れたらペナルティ同然のポットバンカー…。米国とは違うゴルフが求められる中で、一抹の不安を抱えていたスイングが「風でめちゃくちゃになって、ダブルパンチでした」とあえなく予選落ちを喫した。
それでも、「いまはリンクス好きですよ」と言えるあたりは27歳が築いてきた不屈のキャリア。フルショットとコントロールショット、ドローとフェード…一般的な打ち分ける技術だけでなく、時に遊び心を持ち、イマジネーション豊かに攻めていくことの重要性を学んできた。ミュアフィールド開催の2022年大会で7位に入るなど、経験を重ねて少しずつ苦手意識を拭い去っている。
「アムンディ エビアン選手権」でメジャー初の棄権から復帰して前週「スコットランド女子オープン」は54位。週末に「77」が並び、後退を強いられた。「先週の反省、いままでのリンクスの反省を生かして、うまく4日間を戦えたら。記憶を塗り替えます」と笑顔でうなずく。8年前とは違う自分を見せる、格好の舞台だ。(イングランド・リザムセントアンズ/亀山泰宏)