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プレーヤーズラウンジ

ツアープレーヤーたちのペアルック<スティーブン・コンラン>

2008/06/30 10:25

選手とキャディの関係は、なんといっても相性の良さが鍵を握るが、こんな気の合い方なら出来ればごめん被りたい・・・。プロキャディの西原将之さんが、そう痛切に感じたのがミズノオープンよみうりクラシックの水曜日だった。

朝、約束の時間より少し早めに“ボス”のスティーブン・コンランを待っていたときのことだった。しばらくして、背後から背中をツンツン・・・とつつかれて振り向くと、コンランが意味深な笑みを浮かべて立っていた。「何が可笑しい・・・」と、言いかけた次の瞬間、言葉を失った。

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コンランと、まったく同じデザイン、色のウェアを着ていたのだ。これがたとえば宿泊先のフロントであれば、すぐに部屋に帰って着替えることもできた。しかし、日本で転戦する外国人プレーヤーは公共の交通機関を利用することが多く、コンランも例外ではなかった。

この週はJR福知山線の三田駅から会場の最寄りの名塩駅まで電車で移動。だからこの日の待ち合わせは駅のホームの中だった。いまさら改札を出て戻るわけにもいかず、仕方なくそのまま乗り込んだが気まずいったらない。

通勤電車は混んでいて離れて立つこともできず、2人並んでつり革につかまったが気が気ではない。遠慮深げに、しかし好奇心たっぷりの目でチラチラと視線を送ってくる乗客に『デキてる』と思われているのではないか・・・。そうかといって、「単なる偶然なんです」などと言い訳をして回ることも出来ず、2人揃ってうつむき加減に無言で揺られるしかなかったのだった。

同メーカーと契約を結ぶ選手が偶然、同じウェアを着てしまうことはよくあるが、特に同じ組で回るのでなければ、それほど気になるものでもない。しかし、選手とキャディはそれこそ朝から晩まで行動を共にするから、こういう事態は出来れば避けたい。

「だからといって明日のウェアを事前に打ち合わすのもまた気持ち悪いし、難しいッスね」と笑ったのは西原さんだ。

コースに来てからも周囲にからかわれ、散々な思いをしたそうだが、まだ助かったのはこの日が本戦前日のプロアマトーナメントの日だったこと。ギャラリーがまだいない日の“ペアルック”は不幸中の幸いだった。しかも今回、コンランはプロアマ戦の控え選手。全組がホールアウトするまで、途中棄権する者が出なければ出番もない。結局、パッティンググリーンと練習場の往復で1日が終わり、ホっと胸をなで下ろした。

「え?せっかくだから記念撮影?…そんなのいいッスよ~!」と照れつつ、微妙な距離を保って写真におさまった2人は、コンビを組んでもう早11年。本戦前から息のあった(?)ところを見せて、いざ本戦で日本ツアー通算2勝目と全英切符を狙ったが、9位タイで及ばず。そんなハプニングを吉兆にして「内心、今週はちょっとイケるかなって思っていただけに、がっかりです」と、悔しそうだった。



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