宮里藍さんの快挙から16年 日本人2人目の世界ランク1位は「時間の問題」
米国女子ツアーにおける日本勢の台頭が目覚ましい。近年は実力者たちが次々と海を渡り、今季のツアーメンバーは過去最多の15人を数えた。直近3年間で通算13勝を重ね、桑木志帆が制した8月「AIG女子オープン(全英女子)」まで積み上げたメジャー5勝は国別で最多を誇る。
一方で、これだけの成績を残しながら届いていないものがある。宮里藍さんが2010年6月に、日本男女で初めて手にした世界ランキング1位の称号だ。宮里さん以後は3位が最高位で、畑岡奈紗が19年10月、山下美夢有が25年11月に記録。山下はルーキシーズンの同年、全英女子を含む2勝を挙げても“2位の壁”を越えられなかった。「全米女子オープン」2勝(21、24年)の笹生優花もベストは5位にとどまる。
宮里さんはランキング1位になった当時を「いろいろなことが重なった結果でラッキーだった」と振り返る。10年5月、トップに君臨していた28歳のロレーナ・オチョア(メキシコ)が引退によりランクから除外。代わって1位に立った申ジエ(韓国)が虫垂炎で離脱中だった同年6月「ショップライトLPGAクラシック」優勝後に、初めて頂点へ上り詰めた。とはいえ、同年は日本勢歴代最多のシーズン5勝を挙げた絶頂期。決して運だけでつかんだ栄誉ではないだろう。
これを機に周囲の目が大きく変わったという。「どこに行っても“あ、世界ランク1位の人だ”みたいに言われた」と苦笑い。同時に押し寄せる“ツアーの顔”としてのプレッシャー。予選落ちがなくても「20位前後の成績が続けば、大丈夫かな? みたいな対象になってくる」と、これまで聞こえなかった雑音も耳に入った。
初代女王のアニカ・ソレンスタム(スウェーデン)、2代目を継いだオチョアが圧倒的な強さを誇っていたこともある。「当時はそういう強さを求められていると自分でも思い込んでいた。そこはすごく難しかった」と回顧。結果的に翌週、その座をクリスティ・カーに譲ることになる(さらにその後トップに2回立ち、のべ11週にわたって1位)。
世界1位になることの難しさや重さを知った上で、次なる日本人トップの誕生について「ここ数年のメジャーチャンピオンの出方やスピード感を考えれば、時間の問題だと思う」と予想する。「そういう選手が出れば(周囲からの)日本の選手の価値観や考え方も変わる。いろいろなことを含めた期待を込めて、という感じです」
14日(月)に閉幕した宮里さんが主宰する女子ジュニアゴルフ大会「宮里藍インビテーショナルSupported by SUNTORY」優勝の野口笑里(岐阜・麗澤瑞浪高2年)は、「宮里藍さんのような選手になりたい」と将来の夢を語った。宮里さんの期待は、米ツアーで戦う最強日本勢、そして次世代のスター候補たちへ託されていく。(編集部・塚田達也)