プロテスト“高校受験”が定着する女子ゴルフ 高校生プロ1号・宮里藍さんが考える挑戦のタイミング

宮里藍さん 野口笑里
優勝した野口笑里(右)も“現役高校生”で来年のプロテスト合格を目指すひとり

日米女子ツアーで通算24勝(国内15勝、米9勝)の宮里藍さんが主宰する女子ジュニアゴルフ大会「宮里藍インビテーショナルSupported by SUNTORY」は14日、栃木県のサンヒルズカントリークラブで閉幕した。2日間36ホールの競技には、一般公募などから選考された39人の中高校生が出場。上位5人には、2027年の国内ツアー「宮里藍 サントリーレディス」の主催者推薦選考会への出場権が与えられた。

今年の第7回大会からスタートした一般公募が、出場選手の大半を占めた。「何かを吸収したい、学びたいという“欲”を今回はけっこう感じた」と宮里さん。自身が実践してきた技術やメンタルなどの総合的な向上を図るプログラム『ビジョン54』の保護者・選手向け講習会でも、推薦選手がメインだった昨年までとの違いを感じたという。前もって本やDVDなどで予習してくる選手や保護者も多かったそうだ。

応募資格の学年上限は高校2年生。出場した多くの選手が来年、高校3年生で日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)のプロテストに挑戦する資格を得る。受験年齢が18歳以上から17歳以上(4月1日時点)に引き下げられた2019年以降、現役高校生でプロテストに合格した選手は20人に上る(※)。国内ツアー優勝者も2週前の「ゴルフ5レディス」で初優勝を飾った福田萌維で11人目。その中には、海外メジャーを制した笹生優花、西郷真央、山下美夢有ら有力選手も名を連ねる。高校在学中にプロテストを突破する選手の存在感が、年々増しているのが現況だ。

高校生プロ第1号の宮里さん自身は、プロテストを受験していない。当時18歳、高校3年生だった2003年「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン」でアマチュア優勝を果たし、特例でツアーメンバーとなったため。一方、現在のジュニア選手の多くは夏場から1次が始まる過酷なプロテストをクリアする必要がある。“高校受験”が当たり前になりつつある今、在学時からどのような準備を進めるべきなのか。宮里さんのもとには、選手や親から同じような相談が寄せられているという。また、在学中に受験すべきか、進学すべきかという、進路を巡る悩みも少なくない。

宮里さんにとっても、明確な答えを出すことが難しい問い。「これをやったほうがいい、というセオリーはなくて。プロテストは試合とは違う目標や独特な空気感があるし、選手ごとの成長のタイミングにもよるので」。早期受験についても同様で、「焦らなくてもいいのでは…という気もします」と話す。一方で、「自分の実力を知るために一度受けてみるのもいい気はするけど、受けると絶対に通りたいと思うはず。そこが難しい」とも。高校生でプロへの扉を開いた先駆者は、「私には皆さんに応援のエネルギーを送ることしかできない。その選手が決めた道に進んでほしい」と思いを込めた。(編集部・塚田達也)

<上位成績>
優勝/-4/野口笑里
2/-4/中山愛星
3/-3/内田稟子、入倉愛莉、神田陽色
※優勝はカウントバックにより決定

<※ 現役高校生でのプロテスト合格者>
2019年度/西郷真央、笹生優花、山下美夢有
2021年度/尾関彩美悠、川崎春花、小林夢果、櫻井心那、佐藤心結、竹田麗央
2022年度/藤井美羽
2023年度/馬場咲希、菅楓華、村田歩香、上久保実咲、清本美波
2024年度/加藤麗奈、福田萌維
2025年度/伊藤愛華、田村萌来美、吉崎マーナ

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