FWキープ率42.85%でも勝ち切った山下美夢有 父も認める“天賦の才”で横綱相撲
◇国内女子メジャー◇ソニー日本女子プロゴルフ選手権大会 最終日(13日)◇片山津ゴルフ倶楽部 白山コース(石川)◇6755yd(パー72)◇曇り(観衆5355人)
ティショットが曲がっても、重く荒れたグリーンに苦しんでも、山下美夢有が勝ち切った。「このタイトルをすごく獲りたい気持ちがあったので、本当にうれしく思います」。通算9アンダーで並んだ吉澤柚月とのプレーオフまでもつれた勝負にあって、どこか“横綱相撲”の感が漂う。
「ティショットはメッチャ曲がってましたね…」と苦笑するように、最終日のフェアウェイキープ率は42.85%(6/14)にとどまる。距離のあるホールや獲りたいパー5でラフにつかまり、プラン通りの組み立てができないシーンもあった。
「でも、ラフに入ってしまったことは割り切って、自分が得意な距離を残して打つことは心掛けていました」。3打目を121yd残してPWで30㎝につけた1番(パー5)に始まり、最も易しかった16番(パー5)で左ラフにつかまっても2打目以降でリカバリー。得意の100ydを48度のウェッジで再び30㎝に絡めた。正規18番も深い右ラフからレイアップを強いられようと、88ydから52度で1mにつけてパーを拾った。
絶対的な拠りどころがあるから、思うようなティショットを打てなくても慌てず、リズムも乱さない。フェアウェイにさえ置ければ、2打目以降は自由自在。4日間トータルのパーオン率も73.61%(53/72)で全体1位だった。前日の夜に合流するまで日々やり取りを重ねていたというコーチの父・勝臣さんも「その(ショートアイアンの)距離感は天性のもの。いじることはないですね」と太鼓判を押す。
連覇が懸かっていた8月「AIG女子オープン(全英女子)」で予選落ちを喫した後に勝臣さんがかけた言葉も、その武器を再認識させるものだった。「全英はずっと、(パー5で)2オンを狙いにいってましたからね。ティショットからドライバーを持って…。昔、日本で年間女王を獲った時は2オンなんて(ほとんど)狙うことなかった。(3打目で)100ydを残しておいたら、1ピン以上の距離が残ることもないし、そのくらいの距離だったら自信を持って打てる。“原点”じゃないですけど…」
プレーオフの18番では1Wショットを修正してきっちりフェアウェイに置き、ティショットをラフに入れた吉澤に完勝。世界ランキングでフィールド最高6位につける“本命”が、背負っていた母国ファンの大きな期待に国内メジャー3冠という最高の結果で応えてみせた。「もちろんプレッシャーというか、ちょっとした緊張とかもありますけど、それが集中力に変わって、いつも通りのプレーが淡々とできていた。その辺の気持ちは、日本に帰ってきても、向こう(米ツアー)に行っても一緒かなと思います」。最後まで貫録たっぷりに言った。(石川県加賀市/亀山泰宏)