畑岡奈紗や菅楓華…不思議な運と縁に後押しされて 廣吉優梨菜が「15歳218日」の大会最年少Vに挑む
◇国内女子メジャー第3戦◇日本女子オープン 3日目(4日)◇チェリーヒルズGC(兵庫)◇6616yd(パー72)◇雨(観衆4491人)
池越えのフロントエッジから5yd入った後半17番(パー3)はピンまで148yd。廣吉優梨菜にすれば8番アイアンでちょうどいい距離のはずだった。ところが、当たりが薄い。「やばい!」。ドキドキして見送ったボールはエッジに落ち、ピン手前4mに止まった。申し分ない上りのチャンスでこの日最後、7個目のバーディを奪った15歳は「ラッキーでした」と笑顔を見せた。
15歳218日の「日本女子オープン」史上最年少優勝へ。2016年大会の畑岡奈紗以来の大会史上2人目のアマチュア優勝へ。大きなドラマに必要な運、それに縁も廣吉にはある。
今年1月に畑岡と合宿をともにした。数年前からパットを習う平田智コーチからつながったチャンスに海外渡航の経験がなかった廣吉はパスポートを作り、米国アトランタへ。練習、トレーニングを一緒にした。世界で戦う先輩がストレッチの動きを360度から動画に収めて確認する姿を見て「こんなに細かいことまでやるんだ」と驚いた。畑岡が使う重りをつけたウエート用具は重すぎて、持てなかった。
そもそも今大会は出場が危うかった。最終予選会は本戦出場ラインに2打足りなかったが、前週「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン」ですでに出場資格を持っていた菅楓華が優勝し、資格重複による枠が一つ空いて最後の120番目に繰り上げで、滑り込んだ。その菅とはパッティングコーチが同じ平田氏だ。
快挙を後押ししてくれる仲間もいる。「世界アマチュアチーム選手権」を開催中のシンガポールから、前夜に動画が届いた。自分と同じく日本ゴルフ協会(JGA)ナショナルチームに所属する新地真美夏、長澤愛羅、岩永杏奈が「頑張れ!」と3ショットでエールをくれた。
首位と2打差4位から出たこの日、7バーディ、2ボギー「67」と通算14アンダーまでスコアを伸ばし、1打差2位と詰め寄ってラスト18ホールを迎える。日曜日に出場が決まり、月、火曜と滋賀で国民スポーツ大会(旧国体)をプレーして、現地入りした水曜に練習ラウンドを行っただけ。数日で運命が変わろうとする中、廣吉は疲れも見せず「優勝なんて実感がわかないです。今日までのようなゴルフができれば」とマイペースを強調した。(兵庫県三木市/加藤裕一)