イ・ボミのラストゲームに大勢のギャラリーがかけつけた

◇国内女子◇NOBUTA GROUP マスターズGCレディース 最終日(22日)◇マスターズGC（兵庫）◇6495yd（パー72）◇晴れ(観衆5519人)

日本ツアー最後の試合を予選落ちで終えたイ・ボミ(韓国)だが、週末2日間ともに会場に来ていた。最終日は希望選手の“ウグイス嬢”を務め、上田桃子の出番では「続いてはツアー17勝、今大会では2017年に勝っています。怖く見えるけど、めっちゃ優しいお姉さんです。あ、ZOZO所属！」とアナウンス。周囲の笑いも誘い、和やかな雰囲気で送り出した。

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イのこれまでの足跡を展示する特設ブースでは、2日間とも300人限定でサイン会を実施した。最終日は2021年にイと同じく今大会で引退をしたキム・ハヌル(韓国)がサプライズで登場。「なんでいるの！？」と驚きの様子で、2度の抱擁を交わして喜んだ。

ずっと一緒に戦ってきた盟友

キムは帽子を含めた全身黒のコーディネートで現れ、イは「サインするのにティシャツを受け取ったけど、最初は『芸能人かな？』って。見たらハヌルで。そこからもう心臓がバクバク(笑)『来なくていいよ、一人で頑張ってくる』って言ったのに、来てくれて。ビックリしました」。親友の粋な計らいに笑顔になった。

表彰式では夫イワンさんと深夜1時半まで考えたという文章で感謝の言葉を伝え、すべてのイベントが終わった後には日本のファンクラブ（通称ファンカフェ）のメンバーと時には涙を流しながら交流した。

表彰式のスピーチは前日の夜遅くまで考えた文章だという

「試合が終わったときはこれから試合がないんだ、幸せだって思ったけど、いまは本当に寂しい。やめると決めたのが早かったかもと思うくらい。プレーしているときも本当に幸せだった。次の人生も楽しんでいきたい」と声を震わせながら話した。

最後に「ここでもらった応援を、これからはゴルフツアーではなくなるけど、違うところでいい影響を与えられる選手になりたい。ここでサヨナラじゃなくて、また会いましょう」と、“スマイルキャンディ”の愛称そのままに微笑んで締めた。

キム・ハヌルと一緒に優勝した菅沼菜々を称えた

サプライズを終えたキムは、スケジュールの関係でイのラストラウンドを現地で見られなかったものの、様子はしっかりチェック済み。「自分が引退した時を思い出しました。サプライズで驚かせようとしたけど、自分が泣きそうになった」と笑う。「韓国時代から一緒にいて、本当に尊敬できる選手。いい友達、いいライバル」と盟友の最後を見届けた。(兵庫県三木市／石井操)