石川遼は原辰徳さんと14年ぶりラウンド 66歳のプレーに驚がく「音と弾道がプロ」
◇国内メジャー初戦◇日本プロゴルフ選手権大会 事前(21日)◇三甲ゴルフ倶楽部 谷汲C(岐阜)◇7337yd(パー72)
石川遼が開幕前日のプロアマで一緒にプレーしたプロ野球・巨人の元監督、原辰徳さんとラウンドするのは実に14年ぶりだった。2011年にテレビ東京の番組で共演して以来のこと。「(まず)フィジカルっていうか、身体…すごいなって思いましたね」。約2カ月後には67歳になる原さんのゴルフに、シンプルな表現で驚くしかなかった。
ストレートな造りのパー5でかっ飛ばした一打は「バンカーの先までが260ydくらい。そのバンカーの、ちょっと先まで行っていたので、原さんのボールを採用しました」と笑う。さらに、石川が思うプロとアマの「境界線」というラフから100ydほどのウェッジショットに目を見張った。「あれだけきれいに芯に当てて、距離感が合う。それをきょうだけで何回も打っていた。アイアンの音、弾道、スピン量は、もうプロだなって」。大会を主催する日本プロゴルフ協会(PGA)が主管するシニアツアーに出たこともある腕前に衝撃を受けた。
今季欧州シニアツアーにも参戦している横田真一も同組だったラウンドは話も弾んだ。原さんは石川のプレーを「ボールも、ショットもというか、非常に若返ってね」と独特の表現でたたえる。番組共演時19歳だった石川も33歳。16歳でプロ転向している分、競技生活はベテランと呼べる域に入った。
「ボールも非常に安定しているし、飛ぶし。10何年前にはそんなに(飛距離も)変わらなかったなと思ったけど、いまは100ydくらい置いていかれるわけですから…まあ、ちょっとオーバーに言ったけど、本当に素晴らしい」と笑い、交わした会話からにじむ内面的な部分にも触れる。「非常に研究心もあって、久しぶりにラウンドさせていただいて、改めて『石川遼』というプロの価値というものをね、認識したというところですね」とうなずいた。
原さんの言葉を伝え聞いて「言葉に魂がこもっている方。本当にうれしいですね」と喜んだ石川だが、プレー中は背筋が伸びる思いだったという。「原さん自身が第一線でやられた後に育成だったりもされて、何千人っていう一流の野球選手を見てきた方。(自分にとってホームグラウンドの)ゴルフ場とはいえ、全部“見透かされる”ような気持ちで、いまの自分のベストを尽くしました」。今季国内メジャー初戦の開幕を前に、たっぷりと刺激を受け取った。(岐阜県揖斐川町/亀山泰宏)