2サムなのにハーフ3時間13分もかかった…全米女子プロの異例なスロー進行のナゼ
◇女子メジャー第3戦◇KPMG全米女子プロゴルフ選手権 3日目(21日)◇フィールズランチ イースト (テキサス州)◇6604yd(パー72)
1ウェイ2サム(全選手が1番から2人1組でプレー)で行われた3日目、最終組のひとつ前を回る竹田麗央とレキシー・トンプソンの組がハーフターンしたのは午後3時29分だった。午後0時16分にスタートしており、3時間13分かかった計算。3サムより確実に進行がスムーズになるはずの2サムとしては、異例ともいえるスローペースだ。
3日目を終えてトータルでアンダーパーの選手が2人だけというハードセッティング、連日吹き荒れる強風は間違いなくプレー時間が伸びている理由として挙げられる。ただ、3サムの予選ラウンドから1ラウンドに6時間以上かかるケースが続出したのは、コースレイアウトとも無関係ではないだろう。
ここまで3日間ともアウトの7番、8番(パー3)、9番(パー5)の3ホールを中心にティイングエリアで複数の組が待たされることが常態化している。7番は317yd設定の短いパー4で、連日フォローの風が吹くロケーション。一定の飛距離がある選手ならグリーン近くに打ち込んでしまうため、なかなか後続組がティショットを打つことができないという。3日目は西村優菜や勝みなみといった午前9時台の比較的早い時間帯にスタートした選手たちの組でも、後続組に打たせるコールオンを実施していた。
続く8番も難度の高いパー3で、手前の深いバンカーに落としたり、硬いグリーンにはじかれて奥にこぼれるシーンが目立つ。9番は風向き的に2オンを狙いやすいパー5ということもあり、セカンドでグリーンが空くのを待つ選手が少なくない。ティショットをなかなか打てないホールが3ホールも続けば、“渋滞”の解消は難しい。
この日、竹田とトンプソンの組がホールアウトしたのは午後5時58分。18ホールで5時間42分かかった。強風が吹きつけるタフなコース、灼熱のような暑さ、そしてスローペース…。今季3戦目のメジャータイトルは、さまざまなものを乗り越えた先にある。(テキサス州フリスコ/亀山泰宏)
亀山泰宏(かめやまやすひろ) プロフィール
1987年、静岡県生まれ。スポーツ新聞社を経て2019年にGDO入社。高校時代にチームが甲子園に出場したときはメンバー外で記録員。当時、相手投手の攻略法を選手に授けたという身に覚えのないエピソードで取材を受け、記事になったことがある。