2012年大会でツアー初優勝のダニー・ウィレットも出場する（※撮影は「ザ・プレーヤーズ選手権」事前）

「全米オープン」を経て、ヨーロピアンツアーは今週、ドイツで開催される「BMWインターナショナル・オープン」で再び欧州の地へ。ここに、知っておくべき大会アラカルトを紹介する。

2015年大会を振り返る

最終日をノーボギーの「66」でラウンドしたスペインのパブロ・ララサバルが1打差でスウェーデンのヘンリック・ステンソンを下し、GCミュンヘンアイヒェンリートでヨーロピアンツアー4勝目を挙げた。ステンソンは5つのバーディと、11番ではイーグルを奪うプレーで最終日を「65」と猛チャージをかけたが、ララサバルが最後まで落ち着いたプレーを見せ、大会2勝目を挙げた。ララサバルは同地で開催された2011年大会も制している。今年、大会はケルンのGCグートレーヘンホフに戻るが、ここでは2年前にファブリシオ・サノッティがヨーロピアンツアー初制覇を遂げているほか、2012年には「マスターズ」王者のダニー・ウィレットが大躍進を遂げる勝利を飾っている。

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6人のメジャーチャンピオン誕生

1989年にデイビッド・フェハティが第1回「BMWインターナショナル・オープン」を制して以来、この大会で連覇を遂げた者は一人もいない。これまで、ポール・エイジンガー（1990年と1992年）、サンディ・ライル（1991年）、ジョン・デーリー（2001年）、マルティン・カイマー（2008年）、ダニー・ウィレット（2012年）、そしてアーニー・エルス（2013年）と、6人のメジャー王者がこの大会を制しており、エイジンガーとトーマス・ビヨーン（2000年と2002年）のみ、複数回優勝している。

2016年大会のフィールド

ヘンリック・ステンソンは2年連続2位の雪辱を期する（※撮影は「HSBCアブダビゴルフ選手権」）

「マスターズ」王者のウィレットが2012年に初勝利を飾った地に帰ってくる。ウィレットは豪州のマーカス・フレイザーを4ホールにわたるプレーオフの末に下し、それまで19回のトップ10入りを記録していたヨーロピアンツアーで初優勝を遂げた。この大会での勝利から今年で10周年となるステンソンは、昨年、2位に入っている。先月、米PGAツアーの「AT&Tバイロン・ネルソン」で優勝し、先週の「全米オープン」では5位と目下好調のセルヒオ・ガルシアもフィールドに名を連ねている。2008年のマルティン・カイマーによる地元優勝の再現を果たすべく、マルセル・シームやマックス・キーファーといった地元ドイツ勢も虎視眈々と優勝を狙っている。一方、2000年と2002年の大会王者であるトーマス・ビヨーンは大会3勝目を狙っている。

コース

GCグートレーヘンホフで「BMWインターナショナル・オープン」が開催されるのは、今年で3回目。1998年から2009年にかけて11年連続して「ドイツマスターズ」の開催地となった全長7,229ヤードの同コースは、メジャー18勝を誇るジャック・ニクラスにより設計された。

鍵となるデータ

これまでの27回開催されている同大会では24人の異なる優勝者が誕生している。

1989年に第1回大会が開催された「BMWインターナショナル・オープン」は、28年間にわたり一貫してBMWがスポンサーとなっており、現行のヨーロピアンツアーではスポンサーの最長継続年数を誇る。

ファブリシオ・サノッティは2014年の「BMWインターナショナルオープン」でヨーロピアンツアーの歴史に名を刻んだ。32歳のサノッティはヨーロピアンツアーを制した史上初のパラグアイ人選手となり、これでヨーロピアンツアーを制した選手の国籍は36カ国になった。

ヨーロピアンツアー史上初の5人によるプレーオフは、1992年の「BMWインターナショナルオープン」で行われた。この際は、かつての「ライダーカップ」米国代表キャプテンのポール・エイジンガーが、グレン・デイ、アンダース・フォースブランド、マーク・ジェームス、そしてベルンハルト・ランガーらを退けて優勝した。

GCグートレーヘンホフで開催された直近のヨーロピアンツアー3大会は、何れもプレーオフで勝負が決した。2009年の「ドイツマスターズ」では、ジェームス・キングストンがアンダース・ハンソンを退けている。2012年の「BMWインターナショナルオープン」ではダニー・ウィレットがマーカス・フレイザーを下しており、2014年はファブリシオ・サノッティがグレゴリー・アブレ、ラファ・カブレラベロー、そしてヘンリック・ステンソンを退けて勝利した。