フィッツパトリックがウォーバーンで王座に
マシュー・フィッツパトリックがソレン・ケルドセン、シェーン・ローリー、そしてファブリシオ・サノッティらの挑戦を退けて「ブリティッシュマスターズ」を制し、地元イングランドでヨーロピアンツアー初優勝を遂げた。
21歳のルーキーは今週のフィールドで最年少だったが、今季これまで4度果たしたトップ3入りの経験を存分に活かし、最終日のウォーバーンを「68」でラウンドし、通算15アンダーとして後続に2打差をつけて優勝を飾った。
今週1週間を通じて好調を維持したフィッツパトリックは、2008年以来初めてツアーに復帰し、のべ57047人のギャラリーが訪れた大会で、今季4人目となるワイヤー・トゥ・ワイヤーでの勝利を達成した。
「この勝利の実感が長い時間心に染み渡るということはないでしょうね」とフィッツパトリック。
「長い一日で、どうやって勝ったら良いのか分かりませんでしたが、何とかしのいで勝つことができました。最高の一日ですね」。
「僕にとってファンはとてつもなく素晴らしかったですし、信じられないくらいの後押しをしてくれましたので、この感謝の気持ちは語り尽くせないですね。毎ホール、『マット頑張れ』と声をかけてくれましたし、あの応援は素晴らしかったです」。
「今年の目標はシード権の確保でしたし、正直に言って、今季のスタートを切った時はそれさえ達成できるかどうか定かではありませんでした。それでも良いゴルフをプレーし始めることができ、予選通過が増えて賞金を手にするようになり、ここ2ヶ月で勢いに乗ることができたと思います。賞金をたくさん稼げましたし、『レース・トゥ・ドバイ』のシード権を確保することもできました。最高ですね」。
ケルドセンとサノッティは1日を通してリーダーボードのトップをかけて争っていたが、最終的には共にこの日を「69」でラウンドし、最終日を「67」としたアイルランドのローリーと並ぶ2位で大会を終えた。
サノッティは1番で3.6メートルのバーディパットを決めて早々と首位のフィッツパトリックに並んだのに対し、首位タイで最終日を迎えたキラデク・アフィバーンラトは連続ボギーのスタートとなった。
ケルドセンは2番でバーディを奪って三つ巴の争いとすると、首位で並んだ3人はいずれも3番でボギーを叩き、4番でバーディを奪ったため、首位グループのスコアは通算12アンダーで推移することとなった。
その後、フィッツパトリックは6ホール連続でパーとしたのに対し、ケルドセンとサノッティはマークイスコースでバーディを奪い合った。
5番と6番でバーディチャンスをふいにしたケルドセンは、538ヤード、パー5の7番でバーディを奪うと、サノッティもこれに続き、さらに2人は9番でもバーディを奪って2打差の首位で後半へと折り返した。
後続集団につけていたローリーは4番、そして10メートルのパットを沈めた6番でバーディを奪うと、ティショットでグリーンをオーバーしたパー4の12番でもバーディを奪い、通算12アンダーとして首位を追うグループにつけた。
しかしこの第2集団は、フィッツパトリックが2打目をピンそば1.8メートルにつけた11番でバーディを奪い、出だしでつまずいたアフィバーンラトが3番と9番でバーディを奪う盛り返しを見せながらも、葦の中に打ち込んだ12番でボギーを叩いたため、ローリー1人がこのスコアで上位を追う展開となった。
フィッツパトリックはトラブルに見舞われることなく、12番では見事なショットでピンそば1メートルにつけてバーディを奪い、残り6ホールで首位タイに浮上した。
アイアンで完全に距離感をつかんだフィッツパトリックは続く13番でも2打目をピンそば2.4メートルに寄せ、バーディパットはカップのふちに嫌われるも、ティショットをミスしたサノッティはこのホールをボギーとして通算13アンダーに後退し、アフィバーンラトはこのホールをダブルボギーとして優勝争いから完全に脱落した。
ローリーも14番でボギーを叩いて優勝の望みが断たれかけるも、続くパー5の15番でバーディを奪い返して何とかスコアを通算12アンダーへ戻すと、2ホール連続でボギーを叩いたサノッティがこれに並んだ。
一方、ケルドセンはパー5の15番で3パットして集団から抜け出すチャンスをふいにすると、フィッツパトリックは同じく15番でティショットをバンカーに落としながらも、ウェッジでピタリと寄せてこのホールをバーディとし、通算15アンダーの単独首位に抜け出した。
するとケルドセンはティショットが木の真裏に行った16番でボギーを叩いたため、フィッツパトリックはケルドセン、そして17番でバーディを奪ったローリーとの差を2ストロークとした。
サノッティは16番と17番でバーディを奪って首位との差を1打差まで縮めるも、フィッツパトリックも17番をバーディとしたため、リードは再び2打差に広がり、フィッツパトリックは18番をボギーとするも、サノッティも同じく最終ホールでボギーを叩いたことにより、その差が縮まることはなかった。
アフィバーンラトは15番と18番でバーディを奪って最終日を「72」とし、通算11アンダーで、最終日を「69」でラウンドしたルーク・ドナルド、そして「67」でラウンドしたミシェル・ロレンゾベラとマーカス・フレイザーとともに5位で大会を終えた。
「レース・トゥ・ドバイ」を130位で今週の大会に臨んだオリバー・フィッシャーは、最終日をベストスコアタイの「65」でラウンドし、ジュリアン・ケン、アンソニー・ウォール、そしてクリス・ウッドらと並ぶ通算10アンダーの9位タイに入った。
フィッシャーと同じく最終日を「65」でラウンドしたトミー・フリートウッドは、さらに1打後方で大会を終え、このグループには他にリチャード・ブランド、ティレル・ハットン、そしてロバート・カールソンが入った。
グレーム・ストームも最終日に「65」をマークした一人であり、彼は、1イーグル、4バーディ、4ボギー、1トリプルボギーと出入りの激しい「72」でこの日をラウンドしたグレーム・マクドウェルと並ぶ通算5アンダーで大会を後にした。
大会ホストのイアン・ポールターも最終日を「72」とし、さらに1打後方の通算4アンダーで大会を終えた。