セベからの刺激 パリでの勝利を狙うオラサバル
ホセ・マリア・オラサバルは、セベ・バレステロスとの思い出が、ヨーロッパ大陸チームの活力となることを望んでいる。友人であるセベの名前が刻まれた大会、「セベ・トロフィ」は、グレートブリテン&アイルランドチームと、ヨーロッパ大陸チームとの間で競い合う独創的な大会だ。
オラサバルは昨年、メディナCCで行われたヨーロッパチームの功績に影から貢献した。今年はサン・ノム・ラ・ブルテッシュの会場で、ライダーカップで勝利した時の元キャプテン、サム・トーランスが率いるイギリス&アイルランドチームを相手に、彼は勝利を目指して調子を上げてきている。
イギリス&アイルランドチームは、過去6度、セベ・トロフィで勝利を収めている。今年のヨーロッパ大陸チームは、若手選手とベテランの混合チームで、彼らに挑む。最初の2日間は、5つの4ボールマッチで競われる。そして土曜日には4つの4サムマッチ、最終日の日曜日は10シングルが行われる。ライダーカップと同じように、勝利をあげるには14.5ポイントが必要となる。
オラサバルは、「メディナの奇跡」で知られるニコラス・コルサート(ベルギー)と、フランチェスコ・モリナリ(イタリア)の2人を招集した。更にトーマス・ビヨーン(デンマーク)、ミゲル・アンヘル・ヒメネス(スペイン)の2人の元副キャプテンにも声を掛けた。
実績十分なメンバーに加え、スペインからはゴンザロ・フェルナンデス・カスタノも呼ばれた。彼は腰痛に苦しむピーター・ハンソン(スウェーデン)の代替選手として、月曜日に召集を受けた。フィンランドのミッコ・イロネン、イタリアのマッテオ・マナッセロ、そして初参加となるグレゴリー・ボーディ(フランス)、ジュースト・ルイテン(オランダ)、そしてトービョン・オルセン(デンマーク)の3名も加わった。
「このトーナメントは、私にとって非常に意味のある大会です。周りの皆さんもよくご存知のことと思います。セベの心が浸透している大会で、彼にとって非常に大きな意味を持っています。キャプテンに選ばれたことはとてもスペシャルなこと。非常に誇らしく思います」と、オラサバルは感想を述べた。
「もちろん勝ちたいし、それは他の選手も同じ気持ちでしょう。そこには闘志が溢れます。ヨーロッパ大陸チームは、感情を全面に出して、連敗を脱出しなければなりません」と続けた。「(今回は敵と味方で分かれる)選手同士の関係性は、もちろん崩れません。これがゴルフという競技の美しいところです。コース上では、私たちは全てをぶつけ合います。しかしゲームが終われば、我々は握手を交わし、友情を深め合います。これこそセベが望んでいた形ですからね」。
対するイギリス&アイルランドチームは、ポール・ローリー(スコットランド)の他、昨年の歴史的なライダーカップを戦った、3度のライダーカップ経験者、ポール・ケーシー(イングランド)らが顔を揃えた。
2009年の大会では負け知らずだったクリス・ウッド(イングランド)は、2007年のメンバーだったマック・ワーレン(スコットランド)と共に、この大会に帰ってくる。同胞のスコット・ジェイミソンと、ジェイミー・ドナルドソン(ウェールズ)もチームメイトに加わった。ジェイミーソンとドナルドソンは、2年前の大会で勝利した選手たちだ。
ヨーロッパ大陸チームと同様、彼らにも初選出組が4名いる。イングランドからは、トミー・フリートウッド、デビット・リン、サイモン・カーンの3名、スコットランドからはステファン・ギャラハーが初選出となった。
「このイベントはセベの伝説と密接な関係があり、非常に特別なものです。この大会に帰ってきたのもそれが理由です。正直いって再びメンバーに選ばれるとは予想すらしていませんでした。本当に思いがけないことでしたが、非常に光栄です。楽しみで仕方ありません。きっと参加する選手たちも同じ気持ちでしょう」と、トーランス。「ライダーカップへの足がかりとも言えるし、ライダーカップの雰囲気を味わえる大会でもあります。若い選手にとっては素晴らしい経験となることでしょう」と続けた。
そういった意味からも、現在ライダーカップで主将を務めるポール・マギンリーも、来年アメリカのグレンイーグルでの大会を見すえて、ヨーロッパチームの一員となれそうな、ポテンシャルのある選手を探すため、この大会を観戦する予定だ。
今大会の参加資格を得るための大会は、2012年12月に行われたネルソン・マンデラ選手権にはじまり、第70回を迎えたイタリアオープンまで。両チームの選手は、9月23日時点の世界ランキングで参加可能な上位5人の選手と、レース・トゥ・ドバイランキングで、同じく上位5人の選手が呼ばれている。
この大会が初めて開催された13年前、勝利を収めたのはヨーロッパ大陸チームだった。しかし直近の6年ですべて勝利を挙げているのはイギリス&アイルランドチームである。2年前の大会ではサン・ノム・ラ・ブルテッシュで15.5対12.5の大差で会心の勝利を収めた。この会場は3年連続でホストを務めることとなる。