息子からのエールを力に 竹安俊也は狙って「最終組」でのムービングデー
◇アジアンツアー◇インターナショナルシリーズ ジャパン presented by マオタイ 2日目(9日)◇カレドニアンGC (千葉)◇7116yd(パー71)
2打差2位から出た竹安俊也は4バーディ、1ボギーの「68」で回り、通算10アンダーの2位で決勝ラウンドに進んだ。午後組だった2日目、11アンダーで首位のルーカス・ハーバート(オーストラリア)も含めて午前組の戦況はしっかりと把握してティオフした。「最終組で回りたい」とその一心でプレーしていたという。
2014年の予選会(QT)を終えてプロ宣言をしてから今年で11年目に入った。最終日最終組に入った経験は昨年の日本ツアー「ACNチャンピオンシップ」と2018年の「日本オープン」での2回。「僕自身、あんまり最終組の経験がない。やっぱり優勝するためにはそういう経験をどんどん増やしていかないと優勝できない」とスコア変動が大きい3日目は最終組でのプレーを求めた。
性格分析すると「緊張にすごく弱い」という。メンタルを安定させて落ち着いたプレーをするにも「場数が一番大事」と心構えする。「でも、きょう緊張するだろうと思ったけど全然しなくて。あしたも多分(緊張せずに)いけると思います」とトップと離されずに予選ラウンドを終えられた要素は安心材料。あす3日目はハーバート、ソン・ヨンハン(韓国)と同組になった。
ツアー会場を転戦する日々を送るうえで、モチベーションの励みになっているのは日課という息子とのテレビ電話。4年前に結婚し、4歳で長男の永玖(とく)君と次男で1歳の福(ふく)君がいる。子供たちの就寝時間を狙って電話をかけ、「4歳の息子がすごく喋ってくれるので楽しくて。一日の終わりに癒される」。スコアが悪い日も声を聞けば気分は晴れる。
息子の一日の過ごし方を聞く一方で、仕事ぶりを聞かれることもよくある。「『きょうは~で』っていうと、悪かった日は『何してんの』って大体怒られます」と叱られる側になっている。「トップ10に入るのもすごいことなんだけど、と思いつつ“一番”を獲ってほしいみたいで」。「早く獲ってよ」という優勝へのエールが原動力だ。
拠点が関西のため、次週の日本ツアー「関西オープン」(滋賀・日野ゴルフ倶楽部)では応援に来てくれることが決まっているが、3日目を終えて「首位と3打差以内」だったら今週も来てくれる約束をしているという。「いま子供が小さくて、奥さんの実家がある青森にいてもらっている。でも、優勝するときは家族で写真を撮りたいっていうのが夢で。昨年からそのルールを決めました」。前夜のプレーは愛息子から褒められたと照れるパパ。愛する家族からのエールを力に、決勝ラウンドも戦闘モード全開で臨む。(千葉県横芝光町/石井操)