骨折で失った一年で「ゴルフの大切さを知った」 アリゾナ大生・本大志が米国で得る経験値
◇アジアパシフィックアマチュアゴルフ選手権 事前(27日)◇テ・アライリンクス サウスC(ニュージーランド)◇6842yd(パー71)
米アリゾナ大に通う21歳の本大志は、今大会に胸を躍らせて乗り込んだ。「優勝したらマスターズと全英に行ける」という単純な理由だけではない。
初出場の2024年大会を19位で終え、リベンジを期して翌年も挑むはずだった…。しかし、思わぬアクシデントでその機会を失ったという。
米国での学校帰り、スクーターを運転中、信号無視で近づいてきた車を避けようとして転倒した。右手の甲を骨折し、昨年大会は泣く泣く見送ることになった。「悔しいっていうか、“ゴルフができる大切さ”を知りました」と今年は大会に出られるありがたみを、身をもって感じて会場入りした。
海外で活躍する夢をもって飛び込んだ米国での生活も戸惑いだらけだったという。英語で大量の課題をこなしながら、生活面でも初めてのことばかり。「洗濯とかも、ご飯とかも作ったことがなかった。最初の一年は正直すっごい大変で。なんで来たんだろう」と感じるほどだった。
それでも気持ちを保てたのは、何物にも代えがたい経験があったからだ。「世界1位の選手とマッチプレーで一緒に戦ったり、これからPGAに行っても活躍できるような選手たちとプレーできている。本当にいい経験になっている」。今では「アメリカの大学に入って本当に良かった。損したことは一個もない」と胸を張って言い切れるようになった。
今週、アリゾナ大の仲間たちは全米大学選手権で上位に入った強豪校が集う大会に出場する。本も出場するか迷ったが、「こっちに出た方がいい」と大学のコーチにも背中を押され、アジア太平洋地域の頂点を争う舞台を選んだ。
硬い芝とアンジュレーションの激しいコースには、「トリッキーで難しい。でも楽しい。本物のリンクス」とワクワク。「高い球というより、どちらかと言ったら低い球。アプローチもほとんど上げることはないんじゃないかな」と距離感にも神経を使いながら、海沿い特有のコンディションに備えている。
「優勝しか(マスターズと全英オープンには)行けないと思うんですけど、でも来る意味はある。結果を出して頑張りたい」。1年前は立つことがかなわなかった舞台に喜びをかみしめながら戦う。(ニュージーランド・オークランド/安平賢太郎)