2013/09/19GDOEYE

副キャプテンの心意気「俺が今週頑張るより…」

国内男子ツアーの賞金王レースを独走する松山英樹は、19日(木)に開幕した「ANAオープン」を戦い終えると、次週に渡米。10月第2週に開幕する来季の米ツアー参戦に備えるが、まずはその前週3日(木)から世界選抜チームの一員として、米国選抜との対抗戦「プレジデンツカップ」を戦う。 そして名誉あるこの団体戦に参加する日本人がもう1人。丸山茂樹は、世界選抜のニック・プライス主将を支える副キャプテンとして、チームに加わることになる。 その丸山は今週、主催者推薦によりANAオープンに参戦。昨年末にシード権を失い、今季は故障を癒しながらシーズンを過ごしており、この試合が7月の「長嶋茂雄 INVITATIONA...
2013/09/28GDOEYE

TPCソーグラス、近くて遠い2コース

「このコース(ダイズバレー)と、スタジアムコースを比べてどうだい?」外国人記者に問われた石川遼だったが、その質問に答えることはできなかった。米国フロリダ州にあるTPCソーグラス。その中には毎年「ザ・プレーヤーズ選手権」が開催され、浮島グリーンのある17番で有名なスタジアムコースと、今週ウェブドットコムツアーファイナルズの最終戦「ウェブドットコムツアー選手権」が行われているダイズバレーという2コースが存在する。「まだ向こうはプレーしたことがないから・・・」。同じ敷地にありながら、2つのコースの間には見えない壁が存在している。 コース自体の優劣に大きな差があるかというと、そんなことはない。1987...
2013/06/09GDOEYE

夫&キャディとして ~女子プロゴルファーの支え方~

「長かったですね・・・」。優勝を決め、グリーン上で抱き合ったあと、一足先にクラブハウスに戻ってきた表純子の旦那でキャディの広樹さんは、潤んだ目を隠すためにサングラスを外そうとはしなかった。 05年の「スタンレーレディス」からこの日の「ヨネックスレディス」まで。通算3勝目に至る8年弱の長い日々は、出口の見えないトンネルのようだった。「『(11年の)ニトリレディス』で負けたときは、もう無いかなと思いましたね」と広樹さん。結婚後の02年からキャディとして妻に帯同し、コース上でもそれ以外でも献身的にサポートを続けた。 表は言う。「『歩くのが速くなっているからゆっくり歩け』とか言ってくれるし、家では掃除...
2013/06/02GDOEYE

ホールインワン賞800万円は該当者なし

国内女子ツアー「リゾートトラストレディス」には決勝ラウンドに限り、17番パー3にはホールインワン賞800万円がかかっていた。今年5月には「フジサンケイレディス」で23年ぶりのホールインワンを下川めぐみが達成し、800万円を獲得したばかり。 しかし「フジサンケイ-」は該当者がないことでキャリーオーバーとなって積み重なった800万円に対し、今大会は単発で、それも該当者の均等割ではなく、該当者全てにという破格の設定だった。 大会前から17番のティグラウンドに立った選手たちは、口々に「欲しい!狙いたい」と話していたが、最終日は誰ひとりその高額賞金を掴むことは出来なかった。最終日のピン位置は左サイドのバ...
2013/06/08GDOEYE

女子プロ界で存在感を増す“仲間意識”

明日、25歳の誕生日を迎える若林舞衣子。2日目の試合終了後、主催者の計らいで1日早いお祝い会が企画された。 クラブハウスのレストランには、大きなケーキが用意され、カメラマン達が主役の登場を待ち受ける。その後ろには、数名のプロ達がクラッカーを持って隠れ“どっきり”を演出しようと企んでいた。 若林が入り口から入ってきて、花束を貰い記念撮影。タイミングを見計らって、隠れていたプロ達が一斉にクラッカーを鳴らしたが、「(森田)理香子の(肩についている)リコーが見えていたよ」と、サプライズという訳にはいかなかったようだ。 それでも、若林を囲んで森田や服部真夕、表純子、井芹美保子、福田裕子、一ノ瀬優希、向山...
2013/04/09GDOEYE

夢舞台をジュニアに開放 オーガスタナショナルGCの方向性

2013年度のメジャー初戦「マスターズ」開幕の3日前、オーガスタナショナルGCでは、聞きなれないイベントの発表が行われていた。その名も「Drive, Chip and Putt Championship」。7歳から15歳のジュニア世代のプレーヤーが、ドライバーショット、チッピング(アプローチ)、そしてパッティングの技術を競う新しい形の競技だ。 マスターズ委員会、全米ゴルフ協会(USGA)、PGAオブ・アメリカが先導するこのトーナメントは、7月から米国内で地域ごとの予選を開催。ストロークプレーやマッチプレーとは異なり、それぞれの技術に点数をつけるコンテストとなる。ドライバーショット部門を例にとる...
2013/04/06GDOEYE

ミッシェル・ウィ、天才少女の先へ

03年、アマチュアとして「クラフトナビスコ選手権」をプレーしたミッシェル・ウィは当時13歳。「72-74」の2オーバーでの予選通過は、LPGA史上最年少記録。それだけに留まらず、3日目に「66」をマークすると、最終日最終組で優勝争いに絡む活躍を見せ9位タイと大会を席巻した。 そんなウィも現在は23歳。今年の「クラフトナビスコ選手権」では、15歳のアマチュア、リディア・コーと同組となった。ウィを自身の“アイドル”と言ってはばからないコー。同じ韓国系で天才少女というのは共通点。ウィと同じスタンフォード大への進学も希望している。コーは今大会初挑戦だが、今年のオーストラリアで既に2人は同組でのプレーを...
2013/04/05GDOEYE

重量挙げからゴルフへ 再び紡ぐ五輪への夢

「ヤマハレディースオープン葛城」2日目を終えて、名前を見慣れない中国人選手が上位に食い込んできた。昨年末のファイナルQTを12位で突破し、今シーズンの出場権を得たパン・イエンホン(29)。2日目に5バーディ、ノーボギーの「67」で回り、23位から2位タイへの急浮上を遂げた。 その姿を見て、まず目をひくのはガッシリとした屈強な体格。身長は165センチと高くはないが、ウエアの上からでも、とりわけ上半身の尋常ならぬ発達ぶりが見て分かる。ましてや、細身が多い一般的なプロゴルファーの体格とは異を成すものだ。 それもそのはず。パンは11歳からの10年間を、重量挙げの選手としてキャリアを重ねてきた。同競技に...
2013/04/03GDOEYE

キム・インキョン、“あの”パットの教え

「スティーヴン・ホーキングも時間旅行の中で言っているでしょ。過去に戻って、同じことをやり直すことは出来ないって。だからみんな、今を生きなくちゃいけないの」。 この1年間、何度も何度も聞かれたであろう質問に答えたキム・インキョンは、高名な車椅子の物理学者の名前を引き合いに出し、説明を試みた。 “なぜ、あのパットを外したのか?” “その事実とどう向き合っているのか?” 昨年の「クラフトナビスコ選手権」最終日、わずか30センチのウィニングパットを外して優勝を逃したインキョンは、試合終了後1時間以上も記者達の質問に答え続け、「問題ない」を繰り返した。そして今年もまた、同じ質問だ。 「私たちは人間でしょ...
2013/04/08GDOEYE

笑わなくても・・・。饒舌な強さを誇る朴仁妃

去年12月の日韓対抗戦、夕食を食べようと釜山の町を歩いていると、偶然大会で通訳をしている韓国人スタッフに遭遇した。彼にも連れがいたが、我々が何を食べるべきかと尋ねると、「一緒に行こう」と地元の料理屋へ案内してくれた。 その時食べた料理は、骨の無いうなぎのような魚を生きたままぶつ切りにして、赤いコチュジャンと野菜を混ぜて、アルミ泊を敷いた鉄板で焼くという釜山の名物料理。火に掛けると、まるで生きているかのように切り身が動き出し、全体の赤さと相まって見ていて恐怖を感じるものだったが、彼らの手前、必死で食べた。 その時一緒にいたのが、朴仁妃の婚約者でコーチのナム・チヒョプさん。話題となったのは朴のポー...
2013/04/04GDOEYE

PGA Tour Rookie / Ryo Ishikawa(8) オーガスタでの準備

ゴルフにおいては、ショットを放つ際のロケーションはプレーヤーにとって多かれ少なかれ重要だ。持ち球、クラブの性能、調子…試合前までに準備してきたはずのものが、視覚的要素で微妙なズレをきたす。そんな経験はプロ、アマを問わずゴルファーなら何度となくあるもの。美しきオーガスタナショナルでも、トッププレーヤーたちを惑わすのだから。 2013年4月を迎え、いよいよ「マスターズ」の季節になった。5年連続の出場を果たす石川遼は例年通り、大会前週をオープンウィークとしてジョージア州オーガスタに入る。米ツアー本格参戦1年目の成績は現在のところ芳しくなく、この期間で臨戦態勢を整えたい。 ところで石川は昨年、本番に向...
2013/04/04GDOEYE

地元をPR 新坂上ゆう子の全国行脚ツアー

昨年末に出場したファイナルQTは56位。プロ14年目のベテラン、新坂上ゆう子が今季出場できる試合は限られたものとなり、各試合で欠場などによる出場選手枠の空きを待つ、いわゆる“ウェイティング”が大半を占める。今シーズンも開幕から4試合が終わり、出場は僅か1試合に留まっていた。 今週も出場枠が新坂上まで降りてこず、割り当てられたウェイティング序列は2番目。自身も「出られないと思っていた」と思いながら現地で待機していたところ、運良く2人欠場の一報が届いた。「私、持ってるな。フォローの風が吹いてる」。 プロゴルファーとして、仕事場であるトーナメント出場を望むのは当然だが、新坂上にはもう1つの大きな仕事...
2013/04/04GDOEYE

優勝ダイブの生みの親、エイミー・オルコットとの遭遇

今年で42回目を迎えた「クラフトナビスコ選手権」。第1回大会は1972年に開催され、1983年からはメジャー大会へと昇格した。その大会の節目には、決まって世界ゴルフ殿堂入りプレーヤー、エイミー・オルコットの名が登場する。 米ツアー通算29勝、メジャー5勝という実績を誇るオルコット。「クラフトナビスコ選手権」は歴代最多タイの3度の優勝を飾っている。その1勝目は初めてメジャー大会に昇格した1983年。そして、2度目に同大会を制したのは1988年。この年、オルコットはキャディと共に初めて18番グリーン脇の池へとダイブする。 しかし、それはすぐに伝統とはならなかった。資料によると、続く2年(89年、9...
2013/04/06GDOEYE

ホステスプロが優勝争い 孤軍奮闘の黄アルム

今週開催の「ヤマハレディースオープン葛城」には、大会を主催するヤマハと契約を結ぶホステスプロ8人が登場していた。しかし、決勝ラウンドに進出したのは黄アルム(韓国)ただ1人。そのアルムが3日目に「69」をマークし、首位に3打差となる通算4アンダー3位タイへと浮上した。 アルムがヤマハと契約を結ぶきっかけとなったのは、09年の同大会。アルムが2位に8打差をつける圧勝劇でツアー初勝利を挙げ、その後すぐにヤマハから契約のオファーが舞い込んだという。契約後に初めて出場した翌10年大会も2位タイに入り、ホステスプロの面目躍如。しかし、昨年(11年は東日本大震災の影響により中止)は予選落ちに終わり、周囲の期...
2013/04/07GDOEYE

後悔から初勝利へ 貫き通した比嘉真美子の誓い

強風が吹き荒れる中で行われた最終ラウンドも、プロとして初めて経験するプレーオフでも、比嘉真美子の心に刻まれていた1つの誓いに揺るぎは無かった。「絶対に自分を曲げない」。 その意思は18番パー5で行われたプレーオフ2ホール目に集約されていた。「相手が飛ばなくても、グリーン周りが上手くても相手を意識せず、あるがままの自分で戦うこと」。正確なショットで2打目を刻む戦略に徹する、大江香織とテレサ・ルー。上空を舞う強風を恐れることなく残り230ヤードの2打目で果敢に2オンを狙い、グリーサイドのバンカーからバーディへと繋げて決着をつけた。 比嘉の決意の強まりは、プロ転向から2戦目で迎えた昨年の「富士通レデ...
2013/02/28GDOEYE

幸運に感謝 玉突き被害のP.クリーマーが好発進

宮里藍が今週の「HSBC女子チャンピオンズ」を欠場する原因となった、先週24日(日)にタイ・バンコクの車道で起きた玉突き事故。同じく宮里の後続の車両で衝突事故に遭ったポーラ・クリーマーも首を痛め、その症状が心配される1人だった。 練習日には、クラブハウス内で涙を流す姿にも遭遇。昨日のプロアマ戦は出場したものの、スタートしてから間もなく途中棄権。傍目から見ても、本戦への欠場は難しいと思われた。 しかし、迎えた初日は欠場の発表はなく、スタートリストにはポーラの名前が。しかも3連続を含む5バーディ、1ボギーの「68」、4アンダーは首位に3打差の7位タイ発進。ラウンド中には首を回す仕草も見受けられたが...
2013/02/28GDOEYE

アメリカゴルフの心臓部、PGAナショナルとその周辺

今週、PGAツアーの「ザ・ホンダクラシック」が開催されているコースは、フロリダ州パームビーチガーデンにあるPGAナショナル・リゾート&スパにあるチャンピオンコース。ジョージ&トム・ファジオによって1981年に設計され、ジャック・ニクラスが改修を行った。PGA of Americaの本部が置かれ、まさに米ゴルフ界の心臓部といえる場所だ。1983年にはライダーカップ、1987年には全米プロ、1982年から2000年までは全米プロシニアが行われ、2007年から現在まで、「ザ・ホンダクラシック」の舞台となっている。 今回、初めてこの地を訪れたが、ゴルフ好きにとってはたまらない環境だ。敷地内にはチャンピ...
2013/03/04GDOEYE

マイケル・トンプソン「僕はリッキーでもタイガーでもない」

今週はマイケル・トンプソンのプレーを実にたくさん見る機会に恵まれた。というもの、予選2日間は石川遼と同組となり、最終的にはツアー初優勝を飾るという快挙まで成し遂げたからだ。 しかし、パターはめちゃくちゃ入っているなと思ったが、言葉は悪いがなんとも地味な印象しか受けなかった。 トンプソンはこう話す。「みんな、注目選手を見に来たがる。エキサイティングなプレーをしたり、派手な服を着るような選手を。自分はいつも自分のゲームについてというか、生きるモットーとして、“ゴルフクラブに語らせよう”と心がけている。もしクラブが良いことを語るなら、自分にとっても良いことが起きると思っているから」。 アラバマ大出身...
2013/03/03GDOEYE

有村智恵が知った、米ツアーのプレーペース

米国女子ツアー「HSBC女子チャンピオンズ」最終日。有村智恵はカリン・ショディン(スウェーデン)とビッキー・ハースト(アメリカ)と同組で、トップから2組目の午前8時36分に1番ティからスタート。前半6番まで進んだ時点で、有村は5番でボギー1つ。対して同伴の2人は、前半から荒れ模様だった。 ハーストは3連続ボギー発進と序盤からショットが曲がり、パットも不調。ショディンも2番と4番でボギーが先行。加えて、ボール地点で考える時間も少々長い。有村が「プレースピードが遅いな」と感じる通り、スイスイとホールを消化していくトップ組の背中は徐々に離れていき、ほどなく姿は見えなくなった。 6番を終えた時点で既に...
2013/03/03GDOEYE

PGAツアーを席巻中の若者たち

今年からPGAツアーのレギュレーションが変更され、同ツアーに参戦するためには、基本的には下部ツアーであるウェブドットコムツアーを経由しなくてはならなくなった。年末に開催されていたQスクールは、ウェブドットコムツアーへの登竜門となり、そのツアーの注目度はおのずと増している。 海外選手にとって敷居が高まったのは間違いないが、今年のウェブドットコムツアー卒業生の活躍を見ると、下部ツアーで揉まれることの重要性も理解できる。 今季2戦目の「ソニーオープンinハワイ」で、PGAツアー初戦にして初優勝を飾ったラッセル・ヘンリー(23歳)は、昨年のウェブドットツアー賞金ランキング3位で、同ツアーで昨年2勝を含...