2000/06/16全米オープン

霧の初日、ウッズが先制の6アンダー 今田竜二は堅調のスタート

米国の名門コースがサーキット式に開催舞台をつとめるこの全米オープン。第100回、2000年を記念する大会はペブルビーチゴルフリンクスだ。 今回は2番ロングホールがパー4の設定になってパーも71。J.ニクラスの手で5番ショートホールも新レイアウトされた。グリーンは小さく、オーバーシードされて粘るラフは約10センチに伸ばされ、6846ヤードという距離のイメージとは隔絶したタフなコースになっている。 そんなUSGAの威信をかけた舞台で、大本命のタイガー・ウッズがノーボギーの65という凄いラウンドを展開した。風の影響が少ない午前スタートという有利さはもちろんあるが、それにしてもショットが冴えわたり、パ...
2000/04/10マスターズ

デュバル、エルスも及ばず V.シンがねじ伏せて2つ目のメジャーを制覇。

スタート時点でのアドバンテージは3。決して大きな数字ではない。ビジェイ・シンが途中で崩れ、デュバルが抜き去る、エルスがするすると上がる、あるいはタイガーの猛チャージでもつれる・・そんな展開になっても不思議ではない最終日だった。 実際、タイガー・ウッズはまたもや快進撃を開始した。アウトを終わって4アンダー。バーディもイーグルも計算できるインで更に伸ばすことは十分可能なはずだったが、しかし10番11番と惜しいところで入らない。勝負所の13番では果敢にドライバーで攻めた。15番も攻めた。しかし積極的なプレーが大きく報われることなく、5バーディ、2ボギーの69。通常なら立派な数字だが、追い込むべき立場...
2000/04/09マスターズ

荒天、強風、サスペンデット 猛追タイガーはV.シンに追いつけるか・・。

こんなに荒れたオーガスタナショナルも珍しい。雷雨による2時間の中断はまだしも、その後の風がすごかった。木々の梢は折れんばかりにしなり、太い松の樹も大きく揺れた。千切れた葉や花が飛び、グリーン上を吹き飛んだ。 荒れる寸前にホールアウトできたのがタイガー・ウッズのラッキーだったのかもしない。完全絶望と見られた3オーバーからのスタートだったが、別人のような歯切れよいゴルフを展開した。6バーディ、2ボギー。圧巻は7番8番9番10番の4連続バーディだ。初めてウッズが拳を突き上げた。ホールアウトの1アンダーはささやかな一歩のように見えたが、しかし後続組が次々とスコアを落としていったため、待っている間に面白...
2000/04/08マスターズ

復調デュバル65マークで首位に。ジャンボは後退18位。丸山も予選通過。

オーガスタナショナルは2日目も快晴。風もまずまずの穏やかさで絶好のバーディ日和となった。このコンディションに乗ったのがマッチョ変身のデビッド・デュバルだ。アイアンの切れも復活し、2番ロングでまずイーブン。12番ショートでもバーディ。14番でも入れて2アンダー。稼ぎ所の15番ロングはイーグル。17番18番もバーディで締めくくって、なんと65をマークし、一気に首位に立った。久しぶりに強いデュバルがよみがえった。 タイガー・ウッズはイライラのつのるラウンドだった。とにかく寄らない。入らない。本来なら3~4ストロークは詰めておきたい第2ラウンドなのに、結局現状維持のパープレー。あと2日、奇跡のゴルフ...
2000/04/07マスターズ

ガルシアが好スタート、ミケルソンもまずまず。日本勢ではなんとジャンボが10位タイ発進

初日は強風のマスターズだった。雲ひとつない上空を吹き荒れ、木々の間を舞い、グリーンでは体を揺らした。 いつにも増してタフなコンディションだった。今年は1.5インチのラフがかなりフェアウェイをタイトに狭めていた。例年以上にスコアは伸びないだろうという予想がもっぱらだった。 しかしそんな前評判をくつがえすようにトム・レーマンがスコアをぐいぐいと伸ばしたが、やはり最終ホールでは一気に後退しての3アンダー69。また最近くすぶり加減だったセルヒオ・ガルシアは一変しての2アンダー70。好調ミケルソンも1アンダーと好位置で初日を終えた。注目のタイガー・ウッズはアーメンコーナー12番でトリプルを叩くなど3オー...
1999/08/16全米プロゴルフ選手権

ガマンのタイガー・ウッズ、ガルシアの追撃をかわしてついに2度目のメジャー獲得

なんといっても若いガルシア、あるいは無名のカナダ選手ウィア、まだメジャーでは経験不足のシンク。こうした選手たちを相手ならタイガーの悠々勝利かとも予想されていた。しかし現実は厳しい。タイガーの力と経験をもってしても、生涯2つ目のメジャータイトルを手中にするのは苦しい苦しい過程を経なければならなかった。 「失うものはない!」と言っていたウィアは、やはり大崩れに崩れた。シンクも後退。そしてタイガー独走阻止の最右翼かとも思われていた19歳、セルヒオ・ガルシアも2番ホールでボギー先行。取り返しはしたもののなんといってもバーディが少な過ぎ、調子の波をつかむことができなかった。3バーディ、2ボギー。ガルシア...
1999/06/21全米オープン

壮絶バトルを制したのは!42歳、ペイン・スチュアート。8年ぶり2回目のオープン優勝だ!

最終日もまた小雨。そして風が吹いた。前日にも増してラフの芝が粘り、グリーンの難しさが増した。パインハーストNo.2コースは手のつけられないほどタフなコースに変身して選手たちを翻弄した。 見応えのある試合だった。これまで何回も何回もあわやのところで2度目の優勝を逸し続けてきたペイン・スチュアート。実力と人気は圧倒的ながら、なぜかメジャー勝利に恵まれてこなかったフィル・ミケルソン。そして最後まで争いに絡んできたタイガー・ウッズ、ビジェイ・シン。 最終日を81とした横尾要が「守ることも攻撃のうちだということを思い知らされた」と語った。もちろんこのコースとこのピン位置は、決して攻めてはいけないことを知...
1999/04/12マスターズ

ラブも奇跡の攻勢、ノーマンまたも惜敗。最後に抜け出したオラサバルが5年ぶり2回目の復活優勝。

またも、またしてもグレッグ・ノーマンは勝てなかった。11番で10メートル近い長いパットを放り込んで6アンダー。因縁の12番ショートは池にこそ入らなかったものの難しいバンカー越えのアプーチを強いられてボギー。しかし13番、ピンデッドに2オンさせ、フックラインを読み切って劇的なイーグル。一気に7アンダーとして首位に立った。今年こそ、ノーマンの優勝かと誰もが確信した。 3番ホールからズルズルと3連続ホギー。崩れかかったオラサバルは、インに入ってから別人のように立ち直った。10番でバーディ。ここで混戦から抜け出して、ようやく進撃開始。12番はバンカーから絶妙のプレーでパーセーブ。ノーマンが初めてリード...
1998/08/17全米プロゴルフ選手権

最終日もスコアを伸ばしてシン優勝!ストリッカー、エルキントンもおよばず

他のメジャーに較べて圧倒的に地元・米国選手が有利といわれてきた最後のメジャー、全米プロ。しかし非米国人どころか、南太平洋フィジーから米ツアーに転戦しているビジェイ・シンがまさかの逃げきり優勝だ。 シンは最終日も調子を崩すことなく3バーディ、1ボギー。追いすがるスティーブ・ストリッカーを突き放した。エルキントン、プライス、ラブ、オメーラ、ウッズといった定番どころの強豪たちも、今回だけはなすすべもなかった。 全英オープンでは「未知の男」ワッツが大活躍した。女子ツアー界では韓国のルーキー・パク・セリが圧倒的な強さをみせた。そして今度のビジェイ・シン。アジアツアー、欧州ツアーを転戦し、米ツアーに参戦し...
1998/08/16全米プロゴルフ選手権

首位はストリッカー、シンが並走!ラブが4打差の好位置で勝機を狙う

2日目の首位 ビジェイ・シンが3日目もスコアを伸ばした。下からストリッカーが追い込んできて7アンダーの並走だ。 通常の試合なら、この2人に優勝争いが絞られそうだが、なんといっても全米プロ。むしろ4打差3位のデービス・ラブIIIやエルキントンが不気味だ。いやいや、更に1打下に控えているマーク・オメーラ。2バーディ、1ボギーという静かなラウンドでほんの少し貯金を増やしている。実にオメーラらしい試合の進め方で、最終日が混乱するとまたスルリと抜け出してくる可能性大。またタイガー・ウッズもチャンス充分。どう転ぶか、まったく予想不可能な最終日だ。 丸山茂樹はバーディなし。苦しいラウンドで62位グループにつ...
1998/08/15全米プロゴルフ選手権

タイガー、72として後退。5位グループへ!丸山茂樹も77を叩いて一気に大沈没

やはりコースが楽なプレーを許してはくれなかった。前日絶好調の丸山茂樹はショートホールのダブルパーなど苦しみ抜いた。しかも嘘のようにバーディがこない。結局77。たちまち5オーバーまで沈んでしまった。あぶないところで予選を通過。60位。 タイガー・ウッズも苦戦。この日2オーバーとしてトータルも2アンダー。かわって堅実に力をつけているビジェイ・シンが単独首位。またメジャー獲得にジリジリしているコリン・モントゴメリーが3アンダーと絶好の位置につけた。マーク・オメーラもいつものパターンでジワジワと上がっている。 ちなみに尾崎直道は71に抑えてトータル4オーバー、45位。しかし尾崎将司はこの日も74として...
1998/08/14全米プロゴルフ選手権

タイガー、快進撃の66! やった!丸山茂樹、2アンダー2位スタート

ひところの神話が崩れかかったとはいえ、やはりタイガー・ウッズはタイガー・ウッズだった。高い木立に囲まれた廊下のようなサハリーCCを7バーディ、3ボギー。画期的な66をマークして首位。今年最後のメジャータイトル獲得に向けて堂々と発進した。 こうなったらアイアン攻撃あるのみ!と開き直っていた丸山茂樹がやってくれた。2番ロングで幸先よいバーディを入れ、11番ロングでは3アンダーにまで伸ばした。この後ボギーが来て結局2アンダーの68。首位に2打差の2位グループ。やっぱりマルは期待させてくれる。このまま貯金を重ねていけば、日本人初のメジャー獲得だって決して夢ではない! ちなみに尾崎直道は3オーバー、尾崎...
1998/08/13全米プロゴルフ選手権

事前情報

今年で80回目をむかえる全米プロ選手権。日本人選手は尾崎将司、尾崎直道、丸山茂樹の3人が挑戦する。 華麗なマスターズ、格式の全米オープン、伝統の全英オープンと続いたメジャーの最後は過酷な全米プロ。他の3試合に比べると少し地味な印象だが、それだけにプロフェッショナルによるプロフェッショナルのトーナメントとしての権威を持つ。 一気に開花(?)したマーク・オメーラのメジャー3勝はあるか。デービス・ラブIIIの連覇は可能か。不振のタイガー・ウッズの巻き返しはあるか。それともまったく新しいスターが誕生するのか・・・。 サハリーCCは成長したモミやスギの林の中に開かれたコースで、6番(480ヤード)、18...
1998/06/22全米オープン

スチュアート追いつけず ジャンセンが逆転の大勝利

ペイン・スチュアートは1991年のオープンチャンピオン。リー・ジャンセンは1993年のチャンピオン。奇しくも2人のチャンピオンが1998年を闘った。 それは12番での不運から始まった、と言えるかれしれない。これまで運の神様が微笑んでくれていたペイン・スチュアートのボールは小さなディボット跡の中に転がりこんでいた。確率としては、当然ありうることで、さして不思議なことではない。しかし3日間の長きにわたってツキが味方していた男が、初めてであった不運。初めてさした小さな影。そういってもおかしくない。 ライの良いフェアウェイどまんなかから打ってもパーをとるのが極度に難しいオリンピッククラブだ。どんなにス...
1998/06/21全米オープン

リードを広げたスチュアート。レーマン、ツウェイが追いすがる

マット・クーチャーは文句無し全米のヒーローになった。バーディがとれず、終盤になってボギーを連発し、結果的には76を叩いてしまったが、途中までは優勝の期待すらかかっていた。もし、もし全米オープンでアマチュアが勝つようなことがあれば、まさにボビー・ジョーンズ以来の快挙だ。 当時とは時代も違う。あのアマチュア時代のジャック・ニクラスでさえ、全米オープンに勝つことはできなかった。みんな内心「まさか」とは思いながらも、しかし19歳の若者に大声援を送った。アメリカ人は可能性に挑戦する無邪気な若者が大好きだ。 クーチャーの魅力は、カントリースタイルの赤い頬と笑顔。ボギーを叩いてもミスしてもニコニコ笑っている...
1998/06/20全米オープン

ジャンボが大変身宣言? スチュアートは足踏み状態

ジャンボ尾崎の前半のプレーは決して悪くはなかった。ショットもまずまず。今日は「首位のスチュアートと10打差まで詰めたい。今日は攻めるしかない」とドライバーも使った。積極的な攻めのゴルフで前半は2つ取り戻した。しかし結果は71。前日に較べれば雲泥の差だが、予選通過ならず。 「ほぼ思ったイメージで打てた。しかし、ほんのわずかずつ、ズレていた。そのズレにボールを持っていかれてしまうんだ」とジャンボ。日本でならまったく問題にならないようなミス。それがオリンピッククラブでは簡単にボギーにつながる。 「ぼくのゴルフは右腕を使うゴルフ。腕をあるときは柔らかく使い、あるときは強く使って変化を付けてきた。しかし...
1998/06/19全米オープン

ジャンボは白旗宣言? スチュアートが快進撃

ある程度予想はされていたこととはいえ、ジャンボ尾崎は苦戦した。練習日にはけっして悪くなかったティショットが少しずつ狂い始めてきた。地獄のようなラフにはまりこんだボールは、ほとんど1ペナルティ状態だ。11年ぶりのオリンピッククラブの初日、ジャンボはなすすべもない8オーバー。 ドライバーに迷っているように見えた。初日とはまた違う「昔のクラブ」をバッグを入れていたが、しかし完全に信頼して振れていないように見えた。 アイアンがほんの少しだがショートする。パッティングも冴えがなかった。読みようがないような芽の強いグリーンとはいえ、思い切って打つことができない。ラインに乗ってはいるのだがショート、ショート...
1998/06/18全米オープン

ジャンボは時間非厳守? マーチン人気が沸騰

練習日、ジャンボ尾崎は必ずおくれてティアップしていた。 練習ラウンドのスタート予定時間はボードに掲示され、ギャラリーはそれを目安にティグラウンドに集まってくる。しかし水曜日もボードに表示の1時10分、ジャンボの姿は見えなかった。 この水曜日だけでなく、ジャンボはほぼ必ず遅れてやってくる。だいたいスタート時間ごろにコースにあらわれるのが普通で、それから体を温めたり練習したりするのだから、予定どおりティオフできるわけがない。 水曜日、最終ティオフの時間は午後3時と決められていた。この最終タイムを予約していたのはニック・ファルド。後ろを気にせずゆっくりゆっくりプレーしたかったらしい。 しかし予想外の...
1998/04/13マスターズ

ガマンのオメーラ、メジャー初制覇!勝利を決めた最終18番の6メートル!

トーナメントには必ず触媒のような働きをする選手がいる。触媒という表現も、本当は少し違うのだが、その日の原動力となるような選手。はなばなしくバーディをとったり悲劇のダボを叩いたり、結果としては平凡なスコアに落ち着いたとしても、試合ぜんたいとしてのエネルギー量を押し上げる働きをする影のヒーロー。 3日目はフィル・ミケルソンがそれに近かった。試合をかき回し、活気づけた。そして最終日はもちろんフレッド・カプルスがそうだ。試合の流れぜんたいを方向づける選手であり、同時にトーナメントリーダーとしての座も兼ねそなえてのプレー。 デュバルはアウトインの折り返しで一気に7アンダーまで上昇。その後は穏やかに9アン...
1998/04/12マスターズ

復活カプルス、二度目の勝利なるか?ミケルソン、エイジンガーらがぴったり追随!

まるで今までは予行練習、本当のお祭りは土曜日から始まる、そんなスケジュールだったかのように映る。寒さと風はおさまり、うららかな春の日差しと小鳥の鳴き声がオーガスタに戻ってきた。予選ラウンドだけでオーガスタを去る羽目になったジャンボや丸山は、ひどく損をしてしまったような気がしたに違いない。 風が微風になり、選手たちにアイアンの距離カンがよみがえった。ようやく、ボールを自在にあやつってピンを攻めたり、コントロールしたりというテクニックが通用するようになった。だからオーガスタが易しくなったというわけではないが、「これがマスターズだ」という安心できる内容になった。 フレッド・カプルスが自信をもってプレ...